中国科学技術協会、中国工業・情報化部(省)、北京市政府などが共催する2015年世界ロボット大会(World Robot Conference 2015)が23日、国家会議センターで開幕した。国内外のロボット製造大手125社のスマートロボットが北京に集結した。北京日報が伝えた。
中国のロボット市場は大規模だが、国産ロボットのシェアは低い。統計データによると、国内ロボット市場において、外国製ロボットが自動車製造や溶接などのハイエンド分野をほぼ独占している。国産ロボットは主に搬送や原材料注入ロボットが中心で、ローエンドに位置する。中国電子学会はこの状況を受け、「中国ロボット技術・産業発展戦略」を発表した。中国のロボット産業の未来の発展は、産業用ロボット、サービスロボット、特殊用途ロボットに的を絞る。そのうちサービスロボットは主に、リハビリや四肢機能強化など障害者・高齢者のリハビリ用ロボット、および未来の高品質な生活を牽引する家庭用ロボットが中心となる。特殊用途ロボットのうち、医療手術ロボットでは腹腔鏡手術、血管介入手術、整形外科手術などのロボット技術の進展を実現する。同時に宇宙・海洋・国防・核環境などの特殊用途ロボットの産業化を実現する。戦略・計画によると、中国製ロボットは2030年に世界市場で30%のシェアを占めることになる。
中国工程院院士、中国科学院瀋陽自動化研究所研究員の王天然氏によると、中国のロボットの旺盛な需要には、労働力の不足と人件費の高騰という原因がある。企業は人の代わりにロボットを選択し、生産効率を高めることが可能で、長期的に見るとコストを削減できる。王氏は、「スマート製造は製造技術の主な発展方向であり、ロボットはスマート製造の主な技術的支柱だ。ロボットを製造業で応用することで、産業のミドル・ハイエンドへの邁進をけん引できる」と指摘した。瀋陽新松ロボット自動化株式有限公司の曲道奎総裁も、「産業用ロボットの普及拡大により、中国の製造の過程における自動化・スマート化水準を高め、人件費の高騰と人口ボーナスの減少の製造業の競争力への影響を和らげることができる。これは製品の質を高め、生産コストと資源の消耗を抑え、製品の国際的な競争力を高めることにつながる」と述べた。
また情報技術、特にインターネットや人工知能の製造業との融合により、ロボット産業も変革に直面している。ロボット産業は「2.0」の時代に足を踏み入れつつある。王氏は、人工知能とインターネットの技術発展はロボットに強力な「後脳」を提供し、スマート水準を高めると指摘した。材料科学の発展に伴い、人工筋肉などを使い「軟体ロボット」を作れるようになる。これはロボット産業に革命をもたらす。脳科学と結びつけることで、ロボットの一部の行為を人が直接制御できるようになる。生命科学と結びつけることで、「命」を持つロボットを生産できるようになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年11月24日