日銀は今年に入ってから先に実施した金融緩和プランをさらに拡大することはしていない。来週行われる日銀金融政策決定会合では、当面の金融政策を修正するかどうかが話し合われる。アナリストたちの間では、GDPデータが予想を上回って好調だったことで日銀の追加緩和政策実施の歩みが遅くなるとの見方が一般的だ。ブルームバーグ社が経済学者41人を対象に調査したところ、「日銀は追加緩和に踏み切る」としたのは1人だけで、多くが「日銀は来年上半期まで大規模な経済活性化を検討することはない」との見方を示した。
▽機関投資家は円の今後に期待
日本で予想を上回るGDPデータが発表されると、モルガン・スタンレーとJPモルガンは、円は来年、「今年の星」になるとの予測をそろってうち出した。円の対ドルレートは低下幅の大きな連続下落記録をうち立てた後、2016年には主要通貨で最も好調な動きをみせて「1位の月桂樹の冠」を勝ち取り、外国為替市場で「今年の星」と呼ばれる通貨になるという。
両機関は、日本の経常黒字の拡大が日銀の通貨緩和政策を通じて円安を進める力を殺いでおり、日本政府は財政支出と改革をよって経済成長を推進するしかないとの見方を示す。
モルガン・スタンレーは、「円はドルよりも強くなる。日本経済の見通しが好転しており、日銀はさらなる追加緩和政策を避けるだろう。10カ国グループ(G10)の通貨の中で、円は最も低く評価されており、歴史的にみて、円相場は極めて低水準にあるといえる。今後の円の動きは市場の基準値予測を大幅に上回る」と予想する。
またモルガン・スタンレーは16年末までにドルの対円レートは1ドル115円まで低下すると予測し、JPモルガンは110円と予測する。JPモルガン・チェース銀行為替資金統括本部債券為替調査部の佐々木融部長(マネジングディレクター)は、「来年の円はG10の通貨の中で最も強い通貨になる」と予想する。市場は日銀がみせる通貨緩和政策への意欲を高く評価する。追加緩和問題における日銀の立場は積極的なものから、消極的なものに変わり、この点はまだ円相場の動きに反映されていない」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年12月11日