日本の三菱飛行機はこのほど、日本初の国産リージョナルジェット機「MRJ」の引き渡し時期が1年ほど延期になることを明らかにした。主翼の強度が不足しており、改良とテストが必要なためだ。人民網が伝えた。
もともとの計画ではMRJの第1号機は2017年4〜6月に全日空に引き渡しされる予定だった。延期後の引き渡し時期は18年下半期になる見込み。
MRJは「三菱リージョナルジェット旅客機」の英語の頭文字を取ったもの。三菱重工業の子会社・三菱飛行機が研究開発したツインエンジンのリージョナルジェット機で、MRJ90とMRJ70の2シリーズがあり、座席数が90は90席、70は70席となっている。
11月11日、MRJの第1号機が愛知県名古屋市で第1回テスト飛行が行われた後、これまでに3回のテスト飛行が行われている。テスト飛行のデータ分析と米国の技術者のアドバイスを踏まえ、三菱飛行機は研究開発計画を全体的に修正する必要があるとの認識に至った。
三菱飛行機の岸信夫副社長は今月24日、「MRJは主翼の強度が不足しており、国土交通省の安全認証である『型式証明』を取得できない」と述べた。また森本浩通社長は、「三菱飛行機はテスト項目を増やし、修正し、エンジン関連のソフトウエアも改良を進めている。機体の改修によって中断されているテスト飛行は来年1月に再開する見込み」と述べた。
もともと来年春に米国で始まる予定だったテスト飛行は来年下半期に延期された。累計2500時間のテスト飛行時間と20年をめどに毎月10機を製造するとの量産計画は変更されないという。
▽延期に継ぐ延期
三菱重工業は08年にMRJの開発を決定し、三菱飛行機を設立した。当初は11年の初フライトを予定していたが、設計の見直しなどにより、進行状況は延期に継ぐ延期となっていた。昨年10月に第1号機がやっと完成したばかりだ。
共同通信社の報道によると、このたびの延期は研究開発計画の6回目の延期であり、引き渡し計画の4回目の延期だ。11月の第1回テスト飛行の成功を受けて、三菱飛行機は海外での営業販売の進展を期待するが、相次ぐ延期がマイナスの影響を与えているとみられる。
MRJの売りは低燃費、客室の快適さ、環境へのやさしさだ。米国プラット・アンド・ホイットニー・カナダ社製のエンジンを搭載しており、同型機と比較した場合、燃油を20%節約しながら、航続距離は4千キロメートルに迫る。これまでに全日空や日本航空をはじめとする日本の国内外の航空会社から407機の注文がある。三菱サイドはグローバル市場で2千機以上を売りたいとしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年12月30日