中国科学院は16日、新たな宇宙探査および重力波研究計画「宇宙太極計画」を発表し、同計画の事前研究を進めていると表明した。年末にもプロジェクトを立案・申請する見通しだ。人民日報が伝えた。
中国科学院院士、太極計画首席科学者の胡文瑞氏によると、同計画は2030年頃に3基の衛星による重力波探査衛星群を打ち上げ、レーザー干渉計により低・中周波重力波の直接的な探査を行う。2つのブラックホールの合体、超高質量比天体の合体により生まれる重力波の観測、その他の重力波の発生の過程の観測を目標とする。
同計画には中国と欧州による国際協力計画が含まれ、現時点で2つのプランがある。まずは、欧州宇宙機関の宇宙重力波望遠鏡衛星「eLISA」計画への参加だ。次に中国の3基の衛星からなる重力波探査衛星群を打ち上げ、2035年頃に打ち上げられるeLISA衛星群と同時に宇宙を運航し、重力波の探査を行う。2組の衛星は相互補完し、観測結果を確認しあう。
胡氏によると、同計画は多くの学科と先進技術を含み、宇宙の超長距離・超高精度レーザー測定器、超高敏感度慣性センサ、超高精度衛星無曳航制御といった次世代ハイエンド宇宙技術が必要だ。これらの技術は、中国の宇宙科学・深宇宙探査の技術水準を高める上で重要な意義を持ち、慣性航法、地球科学、高精度衛星の製造といった応用分野に対しても積極的な力を発揮する。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年2月17日