孫が後継者に名乗り
2千年の歴史を誇る華陰老腔は、張家では、男性だけに継承され、女性には継承されてこなかった。しかし、張さんの世代の時には、性別や家系などが問題になることはなかった。昨年、現地の文化局は、1年間続く華陰老腔の教室を開き、1週間に2日、受講者が華陰老腔を学んだ。うち1日は張さんが教壇に立つ。ただ、受講者のほとんどが中高年者。「飲み込みはおそい。でも、少なくとも、華陰老腔を伝えられる」。
春晩に出演すると、張さんのもとには多くの問い合わせが来るようになった。しかし、張さんを最も喜ばせたのは、孫の張猛さんも習いたいと言ってくれたことだという。猛さんがまだ10歳だった2005年、張さんは華陰老腔を教えたいと思ったものの、「あまり興味を示さなかった。でも、今年の春晩を見て、突然、真剣に習いたいと言い出した」という。張さんは、華陰老腔の後継者に関してずっと焦りを感じていたものの、全ての状況を甘んじて受け入れなければならないとも考えていた。そんな時に、孫が自分から習いたいと言ってくれて、張さんは何か肩の荷が下りた思いを感じている。
後継者が見つかっても、張さんは華陰老腔の普及に今も力を注ぐ。梅隴文化館を取材してみると、張さんらは、陝西省から皮影や酒壇、長い腰かけなどの小道具を持ちこみ、観衆に本物の華陰老腔を楽しんでもらっていた。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年3月8日