国家級の無形文化遺産伝承人である張喜民さんとその仲間は、今年の中国中央テレビ(CCTV) の「春晩」(春節を祝う中国の国民的年越し番組で、日本の紅白歌合戦に相当)で、民間戯曲「華陰老腔」を披露。一夜にして「時の人」となったものの、このほど上海の梅隴文化館で張さんを取材してみると、有名になったことよりも、春晩に出演したことで、孫が後継者として名乗りを上げたことに最も喜んでいた。解放日報が報じた。
華陰老腔は、前漢(紀元前206年- 8年)の時代に兵士らを鼓舞する音楽として生まれた。張さんの実家である、陝西省華陰市衛峪郷双泉村はかつて、その華陰老腔が最も盛んな場所だった。華陰老腔の十代目継承人である張さんの家にある台本は、乾隆(1711—1799年)の時代にまで遡ることができる歴史あるもの。華陰老腔は、人気歌手の譚維維(タン・ウェイウェイ)とコラボできたことで、ネット上で大きな話題となり、春晩でその人気が最高潮に達してラッキーだったという声もあるが、張さん本人に出会うと、「一夜にして大ブレーク」という見方は消えた。張さんは、華陰老腔の発展や自分がそれを学んできた過程、伝承の現状などを生き生きと語ってくれ、その弁舌は、新人芸能人の80%より優れていた。