団体としての伝承制度の検討を提案
このような現状をうけて、朱副主席は整った伝承者認定制度を構築し、団体としての伝承制度を検討し、伝承者の評定も自発的な方式を採用すべきだと提案した。つまり、政府や組織による申請のほかにも、伝承者が直接「登録」を行う方式で、現行の認定制度の補助的なプロセスとする。同時に「人が去り、技が失われる」といった状況を防ぐため、伝承者の健康状態を鑑みた上で、歴史の口述記録、オリジナルの生態記録、全制作過程の採録等を一日も早く組織し、無形文化遺産項目の全面的で完全な形での映像資料を保存し、映像資料を基に無形文化遺産項目を復元することが出来るようなレベルを目指さなければならないと提案した。
この他にも朱副主席は職業の伝承の促進に力を注ぎ、無形文化資産伝承者の社会的地位の向上と補助金の幅を調整することで、師弟伝承を促進する必要があると主張。例えば韓国では重要な歴史、学術、芸術価値があり、さらに地方の特色を体現する無形文化遺産の代表的な伝承者を「人間国宝」と定め、毎月1100ドル(約12万5千円)の補助金を支給している。人間国宝には毎年1回の公開パフォーマンスと無料でのスキルトレーニング講座開催が要求され、医療費免除などの特権を享受できるという。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年3月10日