中国で3番目の規模を誇る水力発電拠点である雅ロウ江流域で、中国初の全流域「風力・太陽光・水力相互補完」クリーンエネルギーモデル拠点が建設される。雅ロウ江の水力発電所群の調節機能を十分に利用し、風力発電と太陽光発電の不安定性を補い、3種のクリーンエネルギー利用の改善と外部への送電を実現する。中国のエネルギー構造を改善し、四川省のカンゼ・チベット族自治州、涼山イ族自治州などの貧困地域の経済発展を促進する。新華社が伝えた。
雅ロウ江流域水電開発有限公司が発表した情報によると、モデル拠点の計画中の設備容量は6000万kWに達し、世界最大の「風力・太陽光・水力相互補完」クリーンエネルギーモデル拠点になる見通しだ。
同社の陳雲亭董事長(会長)によると、雅ロウ江が経由するカンゼ・チベット族自治州、涼山イ族自治州、攀枝花市は、四川省西部の風力・太陽光エネルギー資源が密集する地域に位置する。流域の開発可能な風力・太陽光エネルギー資源は3000万kWに達し、雅ロウ江流域の計画中の水力発電資源に相当する。つまりは、もう1本の雅ロウ江を引くようなものだ。
陳氏は、「雅ロウ江の二灘・錦屏・両河口の3大ダムは、大きなエネルギー貯蔵システムのようなものだ。流域の乾季は風力・太陽光発電に適した季節だ。水力発電のスムーズな切り替え機能は、風力・太陽光エネルギーの優先的な送電を保証する。逆に雨季の場合、風力・太陽光発電の出力が弱まるが、水力の発電量を増やし、フル稼働させることも可能だ。3種のクリーンエネルギーはスマート化された稼働・調整システムによって、『高付加価値加工』されてから外部に送電される。これは上下に激しく起伏する発電の曲線を、ほぼ直線の安定的な発電に変えることができる。電力網の安全・安定稼働を保証するほか、高品質のクリーンエネルギーを多くの世帯に送電できる」と話した。
初歩的な計画によると、雅ロウ江流域の約80カ所に風力発電所を設置し、設備容量は1261万kWに達する見通しだ。太陽光発電所は約25カ所で、設備容量は1816万kWに達する見通し。設備容量は合計で3077万kW、年間発電量は約519億kWh、投資総額は3077億元(1元は約17.39円)以上。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年3月28日