「中国の企業はすでに変わりつつある。この10年間で20回あまり義鳥を訪れているが、10年前、私が最も感じたことはどこも他社製品をコピーしてニセモノを作っているという点。しかし現在は自社製品の研究開発が始まっている」と坂本氏は指摘する。日本は1990年代にバブル経済の時代を経験している。実体の経済が喪失したことで、日本はその後20年間、発展が非常に緩慢になった。そして日本経済の主役は次第に「大量生産型企業」から「非量産型企業」へと変化を遂げ、価格は最重要な要素ではなくなりつつある。企業の規模も小さくなり、中小規模が中堅としての力量を発揮し始めた。
「中国の現状は当時の日本にやや似ている。中国企業も転換へのターニングポイントにあると言える。こういった段階では、経済の発展だけに注目しないことだ。これは長続きしようがないからだ。むしろ人を大切にする概念を持ち続ける必要があり、『幸福』というこの2文字を重視するべきだ。これは国も企業も同じだ」と坂本氏は語った。