中国科学院生態環境研究センターの韓立建氏と研究チームは、北京市の1973年から2013年の気候データを分析し、大気中の汚染物質に含まれるPM2.5の濃度が40年間で大幅に上昇したことを明らかにした。この数値は人口および国民総生産(GDP)の増加と正比例しており、人類活動が短期間内に大気の質に影響を及ぼしたことが分かる。関連する研究成果は31日、英科学誌ネイチャー系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。科技日報が伝えた。
研究者は北京の40年間の気象観測データを収集し、既存のPM2.5濃度と気象指標の関係に基づき、これまでのPM2.5データを導き出した。その結果、北京の大気中に含まれるPM2.5のPM10に対する割合は71%で、北京の大気汚染が人々の健康に深刻な影響を及ぼしていることが分かる。また年平均の可視度は、PM2.5の濃度の上昇により低くなっている。
研究者は、安定的な気象条件下、北京のPM2.5の濃度は1973年から2013年にかけて大幅に上昇したと分析した。風速には40年間で大きな変化が生じておらず、人類活動が大気汚染拡大の主な責任者であることが分かる。韓氏は、「データは大気汚染の主因を人類活動としているが、これは人口増加を指しているわけではなく、総合的な人類活動によるものだ。エネルギー消費量、自動車保有台数などの要素が、大気の質の低下を引き起こす。ゆえに人口密度と大気汚染を単純にイコールで結ぶのは正しくない。大気汚染を改善する際に、高密度人口において、大気の質に最も大きな影響を及ぼす汚染活動に留意すべきだ」と提案した。
北京のPM2.5の濃度は、2004年以降のエネルギー消費量および自動車保有台数の増加により、急速に上昇した。研究者は、中国の持続的な都市化の目標実現に向け、大気汚染をより良く防止する方法が必要だと警鐘を鳴らした。人口・社会・経済・生態環境の共同発展モデルは、都市部の大気の質を改善する最も重要な手段だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年4月1日