坂本氏は会社の福利、会社から社員への提供を非常に重視している。なぜなら社員が会社に対して不満を持っている場合、心から顧客や株主にサービスしようとは思わないからだ。「今回訪れた義鳥の双童日用品有限公司は非常に印象深かった。最初私はある学生の論文からこの企業を知り、現地へ視察に行くことを決めた。この会社の社員に対する思いやりは日本でもトップレベルと言えるだろう。社員の誕生日には誕生日ケーキが準備されるほか、従業員はオフィスビルの3~6階に居住し、食費も家賃も全て無料となっており、これはその家族も含まれる。社員よっては3世帯が一緒に暮らしている。週末は会社に専用のレクリエーションエリアが設けられており、利用することができる。そしてこれほどきれいな工場は見たことが無い」と坂本氏は語った。 双童日用品有限公司はストローを専門に生産する会社で、現在日本市場に進出できているごく少数の中国のストロー生産企業のひとつだが、このような企業について、日本ではあまり知られていないという。坂本氏は「9年前に『日本でいちばん大切にしたい会社』という本を執筆したが、現在中国に関する同様の本を執筆予定で、双童公司もその候補に入っている」とした。
坂本氏は中国企業は一般的に会社の規模が大きいことを好み、社員がとても多く、生産規模もとても大きい。日本企業は企業が長く続いていくことを重視しており、その目標は自社製品をその分野で一番すぐれている製品とすることだと指摘。また「中国企業はインドや東南アジア、またはアジア全体で作ることができないような製品を作るべきだ。同時に価格競争をやめることで道が開けるだろう」と指摘した。彼はまた専門を極める方法を細かく解説し、「もし一つの特定した製品だけに着目した場合、双童がやっているように同種製品の研究開発ばかりを続けていくことになる。もし同業の製品とあまりにも似通っている場合は、競争が激しさを増すばかりで、会社の安定性が失われる。日本企業のやり方は一製品だけを作るという事をせず、少なくとも三種類の製品を準備する。そして一種類は主力製品、あとの二種類はサブ製品とし、万が一主力製品が影響を受けた場合でも、あとの二製品で会社を支えていく」と語った。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年4月1日