民間手工芸の復興はここ数年、中国国内でも見られる。一部の地域の民間手工芸技術や芸術は以前は「時代遅れ」と軽視されていたが、次第に政府や企業、一般大衆に注目され始めている。しかしながら、現状、中国国内ではいまだ日本の南部鉄器のような、高額でありながら品質が非常に優れ、消費者の人気を集めるような職人の技の製品が現れていない。振興されつつある伝統工芸製品の品質はいまだ工場の流れ作業で生み出される標準化された製品にも遠く及ばない。しかも中国各地では精巧な民間手工芸技術を模したアンティーク風の建物や、新たに建設された「古い町並み」が大量に出現し、見るものに強烈で粗悪なイメージを与えている。これらは関連したエリアや社会組織、企業やそれに従事する者たちの功を焦る気持ちが表れている。
日本の南部鉄器の売れ行きから、「職人の技」の製品は今後もますます人気が集まるという結論を得ることができる。これは民間手工芸技術や芸術が勢いを得るチャンスがあるということでもある。しかしながら民間手工芸技術にしろ、芸術にしろ、振興させようとするならば、匠の精神を必ず発揮しなければならず、掛け値なしで気力も時間も費やす必要がある。民間工芸のスローガンを少しばかり叫び、工業的な量産や効率至上主義の論理を守ってはならない。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年4月12日