ショートフィルムのワンシーン
松田奈月監督によれば映画の脚本を書き上げた後で、那須国際短編映画祭からの支援を得ることができたという。そして「中国の古い温泉地を探し、撮影したいと考え、いくつもの場所をまわったが、すでに開発されすぎたリゾート地のような場所ばかりで、懐かしさと美しさ、爽やかさを感じさせるような場所ではなかった。その後、魯迅や紹興酒の関係で日本人にとって懐かしさを感じさせ、身近で、共感を覚える土地である紹興を思いついた。紹興の古い町並みはとてもきちんと保存されており、30年前のような昔ながらの抒情を残している」と取材に答えている。
2015年8月、詩人の麦秸さんの案内で、中日撮影班が紹興の多くの場所を訪れ、撮影を行った。八字橋に立ち、白壁と黒い瓦屋根を眺め、小さな橋の下を水が流れる紹興の人々のリアルな生活の様子を見て、松田監督はすぐにこの場所で主なストーリーを展開していくことに決めたという。
八字橋でのロケの様子
八字橋はこの作品の中でのキーポイントとなり、福原と美雲の愛情が芽生え、育っていく様子や互いに愛し合う二人が会えないやむを得ない様子を映しだしていく。八字橋周辺の風景は全てカメラに収められ、詩人の麦さんの自宅が八字橋そばにあり、さっぱりと落ち着いた内装だったこともあり、映画の中での美雲の家のロケ地となった。
この他にも魯迅故居にある一石居飯店や黄酒博物館もロケ地となっている。また作品の中では温泉神社や千体地蔵尊、南ヶ丘牧場、清水屋、高原展望台といった那須の観光地も数多く中国人に向けて紹介されている。
この作品を見た日本人が数多くコメントする中で、ある日本人は「映像がとても美しく、ストーリーも感動的。最終的に二人が一緒になってくれればと思う。また紹興に行き、八字橋に立ってあの景色を眺めてみたいと思った」とコメントしている。
この作品は今年下半期には各大手ポータルサイトでオンライン公開されるという。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年4月14日