三菱自動車はこのほど記者会見を開き、同社の軽自動車4車種で、燃費データの不正を意図的に行っていたことを認めた。4車種はそれぞれ「eKワゴン」と「eKスペース」、日産自動車向けの「デイズ」と「デイズルークス」で、計62万5千台。さらに調査の結果、国内法で定められた方法と異なる試験方法で測定していた車種が、SUVの「パジェロ」など約10車種に上ることが明らかになった。販売台数は200万台を超える。人民日報が伝えた。
三菱自動車の燃費データ不正問題は、軽自動車の開発・生産で同社と提携する日産の指摘により発覚した。三菱自動車の開発した車種の実際の燃費が、同社が提供するデータと合致しないことを発見した日産が、同社に問い合わせた結果、最終的に三菱自動車の内部調査でデータ改ざん・不正操作が明らかになった。日産は三菱自動車との提携打ち切りを検討している。
三菱自動車に問題が発覚したのはこれが初めてではない。2000年には長期的なクレーム隠し、欠陥隠蔽事件が発覚した。日本政府は三菱自動車に対し、対応措置を講じて是正するよう要求したが、同社の上層部がリコールを回避するために、引き続き欠陥を隠蔽し虚偽の報告を行うよう部下に命じたことから、相次いで交通事故が発生。これにより同社の経営は困難に陥り、破産の危機に直面した。
日経BPの報道によると、三菱自動車の内部調査の結果、有利な数値を故意に選び取ることにより、関連車種の燃費を実際よりも5~10%前後良く見せかけていたことが判明した。三菱自動車は26日の記者会見で、日本国土交通省に軽自動車の燃費不正問題に関する調査内容を提出。1991年より、国内法で定められた方法と異なる試験方法で燃費を測定し、さらに2013年より生産を開始した軽自動車4車種の燃費目標を達成するため、データを改ざんしたことを認めた。
日本経済新聞はこの問題について、「日本の自動車業界の激しいシェア争いが反映された。世界的な金融危機後、価格や税金の安さなどを背景に軽自動車が日本市場で人気を博した。2011年末には、『リッター30キロ』が日本の軽自動車の開発目標となった。スズキやダイハツ工業、トヨタなどに対抗すべく、三菱自動車は日産と軽自動車開発の合弁会社を立ち上げたが、開発費がトヨタの10分の1しかないことなどが、データ不正に至る要因になった」と分析している。
日本の世論は、今回の三菱自動車の不正発覚により、日本の自動車検査の抜け穴が明るみに出たと指摘している。ユーザーマニュアルに記載される燃費データなど、新車の検査を担当しているのは、国土交通省所管の交通安全環境研究所だ。同研究所の燃費検査は一般的に室内で行われる。この際、都市の道路や屋外での走行に近づけるためにタイヤの抵抗値などを入力して負荷をかけるが、抵抗値はメーカー側の自主申告に任せていた。三菱自動車はこの「抜け穴」を利用して抵抗値を偽装、燃費を実際よりよく見せかけていた。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年4月27日