2006年に海外から初めてファストファッションブランドが中国に参入して以来、春風に誘われて無数の桃の花が開くように、疲弊状態にあった国内アパレル小売市場にとってカンフル剤となった。しかし、10年が経過し、このカンフル剤も「効き目が切れる」という事態を迎えている。ファストファッションブランドの経営状況は、数年前から軒並み落ち込んでおり、H&MやGAPなど各ブランドの業績悪化は常態化している。アパレル業界で「成長神話」を打ち立てたユニクロでさえも、業績悪化陣営の仲間入りの傾向が見え始めている。北京晨報が伝えた。
●終焉を迎えたユニクロの「成長神話」 親会社ファーストリテイリングは3割減益
アパレル業界で「成長神話」を打ち立てたユニクロが苦境に陥っている。アジア首位のアパレルブランド・ユニクロの親会社であるファーストリテイリングは今月7日、2016年上半期業績報告を発表した。これによると、グループの販売総額は前年同期比で6.5%増加したが、営業利益は33.8%減と大幅に落ち込んだ。このうち、ユニクロの日本国内と海外市場での業績が芳しくなく、これがファーストリテイリンググループ全体の業績低下の主な原因となった。同グループの半期純利益がマイナスをなったのは、5年ぶりのことだ。
ファーストリテイリンググループの担当者は取材に対し次のように回答。
「今年上半期の販売総額は増加したが、経営利益はマイナスとなった。この原因として北半球が昨年末、異常なほどの暖冬となり、ユニクロの冬商品の販売量が落ち込んだことが挙げられる。また、円高によって為替差損が生じたことも一因となった。中国市場については、業績悪化の影響は見られない。中国大陸における2016年上半期販売収入と販売利益(人民元計算)はいずれもやや増加する見通しだ。下半期、中国を含む海外市場におけるユニクロの販売収入・販売利益いずれもが『ダブル成長』を実現できると予想している。ユニクロは今後も引き続き、中国市場での開拓を推し進めていく」。
業績の落ち込みよりも深刻なのは業績悪化でユニクロの株価が暴落したため、ユニクロ創業者で「2015年日本人長者番付」首位の柳井正氏がはやくもその座を退く恐れがあることだ。