5月8、9両日にロシアとドイツの各地で、世界反ファシズム戦争勝利71周年を記念し、戦争の犠牲者に哀悼の意を捧げる行事が行われた。欧州で極右勢力とポピュリズムが再燃の兆しを見せる中、こうした行事は平和を呼びかけ、和解を提唱するうえで計り知れない意義を持つと分析される。
■「あの戦争がもたらした苦難は各家庭の生活に長く続く痕跡を留めた」
5月9日、ロシアは大祖国戦争勝利日軍事パレードを行った。ロシア各地でも第2次大戦の勝利を記念する熱気が5月の強い日差しのように高まった。今年の軍事パレードは約1時間で、軍人1万人余りと装備135台が赤の広場を通過した。美しく白い制服を着た女性兵士部隊は初登場だった。貴賓席には白髪の元兵士が並び、最高齢は106歳だった。軍事パレード前の演説でプーチン大統領は「勝利日はロシアおよびロシア国民にとって象徴となっており、ロシア国民の力、自信、自尊心は団結と祖国に対する忠誠にある」と指摘した。
同日ロシアでは重要な伝統行事「不滅の隊列」行進も行われた。民衆が自発的に行った行事で、モスクワだけでなく各都市で軍事パレードなどの大規模な行事の終了後に民衆が隊列を組み、第2次大戦で犠牲となった家族や友人の写真を掲げ、都市の主要道路を行進した。今年は約210万人が参加した。ロシア以外に、世界14カ国でも同様の行事が行われた。
あるモスクワ市民は記者に「大祖国戦争はソ連のほぼ各家庭に波及した。私の曾祖父はかつて比較的有名なピアニストだったが、戦場で指を2本失い、愛する舞台に別れを告げざるを得なかった。もし烈士が忘れられるのなら、再び犠牲となるに等しい。あの戦争がもたらした苦難は各家庭の生活に長く続く痕跡を留めた。歴史を銘記し、鮮血で固められた勝利を記念することは常に私たちの暮らしの一部だ」と語った。