宇都宮氏は、安倍政権が社会保障予算を減らす一方で、軍事関連の予算を大幅に増やしていることに驚きを示す。安倍政権の誕生後、日本の防衛予算は4年連続で増加し、5兆円の大台を突破したという。
▽失われた若年世代
90年代のバブル経済崩壊後、日本は「失われた30年」に突入した。今の日本の若い世代はさながら「ロストジェネレーション」だ。
文部科学省の調査によると、貧困世帯が増えたため、12年の大学生の奨学金申請率は52.5%に上昇した。96年は21.2%だった。こうした現象の背後には日本政府の教育支援の手薄さがある。
OECDが15年末に発表した統計によると、日本の教育機関に対する財政支援の対GDP(国内総生産)比はわずか3.5%で、OECD加盟国中最低だという。
雇用環境の悪化により、大学を卒業しても正社員になれない人がたくさんいる。統計によると、20~30歳の年齢層の非正規雇用者の割合は全体の平均を上回るという。給与が低く、卒業後に奨学金を返済できない人も大勢いる。日本学生支援機構がまとめた統計によれば、13年には返済が滞った卒業生が約33万人に上ったという。
宇都宮氏は、「20歳から40歳の若い世代では自殺が死因のトップ。今の日本社会は、若い人々が希望をもてない社会、未来のない社会だ。日本社会の現実は安倍首相が口にするうるわしいスローガンとは大きく隔たっている」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年6月1日