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2016年7月21日  
 

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北京で活躍する日本人 中国語でトークショーを行う近松貴子さん (2)

人民網日本語版 2016年07月21日15:34

3つ目は自虐の壁。トークショーにはいくつか決まりがある。例えば障がい者などの弱者をからかってはいけないが、自虐ネタは問題ない。貴子さんが笑いのツボとして使うのも自虐ネタだ。日本人にとって、中国では自虐ネタにできるものが多すぎるほどある。欧米人パフォーマーからすると、自虐は特にめずらしいものではないが、日本や中国といった儒家文化の国は、民族に対する強い自尊心を持っている。もし中国人が日本で中国の不合理な物事をけなして観客の笑いを取ったならば、すぐにネットユーザーの怒りを買い、吊るし上げられてしまうのだろう。貴子さんが果敢にもこの一歩を踏み出し、自虐ネタを選んだのは本当に勇気のあることだといえる。一途で、考えを曲げない、自分が正しいと思ったらとことん突き進む、これも実は日本人のあまり知られていない特徴だろう。

例えば貴子さんが日本の礼節の煩わしさをネタに「日本人は毎日何度もお辞儀をして、ヨガを思いついたんですよ。」と話し、120度のお辞儀をしてみせる。さらに「ヨガはインド人が思いついたものって言われているんですよ。日本のヨガがインドに盗まれてしまいました。でも私たちはこれっぽっちも怒っていません。だって最終的には全て韓国人のものになるんですから」と風刺する。韓国人ネタは中国と日本では広く知られていることなので、観客からは自然と笑いが巻き起こる。

貴子さんは若く見えるので、ずっと日本でも中国語を勉強していたのだと思っていた。しかし話を聞いてみると、意外にも日本で中国語を勉強したことはなく、しかも中国に来てまだ2年も経っていないという。私は10年近く日本語を勉強しているが、ステージでのトークショーはおろか、即興スピーチですらまともにできない。

私は貴子さんから外国語を学ぶには天賦の才が必要と言われるが実はなにより勇気が必要なのだと感じた。日本人は保守的な民族だが、著名な探検家もよく誕生している。このような日本人はまだ見ぬ世界を恐れず、自分から飛び込んでいく。貴子さんもその一人だ。彼女は日本が制作した清代末期の宮廷を描いたドラマ「蒼穹の昴」を見て、登場人物の魅力に引き込まれ、紫禁城をこの目で見たいという思い、中国に憧れるようになったのだという。そして中国で仕事をする機会があったので、やってきたのだ。


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