結果や将来を気にすることない職人の信念に感心
長年、商品を買ったり、交流したりしているため、鳥居さんは広州で文化財を売る店の店主や手工芸の職人とも仲良くなり、広州に来るたびに、一緒に食事もする。そして、職人の工房も見学する。博物館や文化財ストリートのほか、鳥居さんは、郊外にある手工芸の工場や古い街にある刺繍工場にも足を伸ばし、高齢の職人やその後継者を訪ね、手工芸品がどのように誕生するのかを自分の目で確かめている。
「年を取ると、どのように後継者に伝えて行くかを考えるようになるのかもしれない。一つの技術を本当の意味で後代に伝え、社会で淘汰され、単に『昔はこのような物があったんだね』と言われるだけのものにならないようにしなければならない」と鳥居さん。
また、「茶道や香道、清水焼など、日本の手工芸は現在、全世界で人気となっており、外国人が爆買いしている。でも、私の友人である広州の職人たちのほうがもっとすごいと、私は思う。彼らは、もっと長い歴史において苦難と試練を乗り越え、先祖から伝わって来た技芸をそのまま受け継いでいる。そのような職人と知り合い、その作業場や家に行ったことがあるが、その多くはそれほど良い暮らしはしていなかった。その物質的生活の水準は、彼らの技術と釣り合っていない。彼らが心を込めて一生懸命作った芸術品を高く評価する人がいないというのはとても残念なこと。それでも、彼らは技芸を伝え続けている。結果や将来を気にすることないその信念には、感心させられる」と続けた。
さらに、鳥居さんは、「私たちはお金で文化財を買い、取るになりない力で一時的に歴史と美を保管する。それでも、宇宙を超える長い時間をそのお金で買うことはできず、古代から技芸を伝えてきた人へ敬意を示すにも全く物足りない」と真剣な目つきで語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年12月8日
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