今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)は、米国ウォール街のアナリストを驚嘆させるほどの規模となった。人民日報海外版が報じた。
モルガン・スタンレーは、今年の「ダブル11」には、中国のオンラインショップの取引額が約1570億元(約2兆6531億円)になると予測し、その他の機関の予想はもっと低かった。
しかし、実際には今月11日、ショッピングサイト・天猫の取引額だけでも1682億元(約2兆8424億円)に達した。中国EC取引研究センターの統計によると、中国全土のオンライン小売り販売額は前年同期比45.16%増の2539億7000万元(約4兆2918億円)に達した。
シンガポールの華字紙「聯合早報」のサイトの報道によると、中国のネット通販はビジネスの世界や全世界の社会に大きな影響を与えている。
全世界が驚く中国の成長スピード
中国のネットショッピングの規模を最もよく示しているのが、毎年行われる「ダブル11」だ。開催から9年間、同イベントは新記録を更新し続けており、中国の成長スピードを反映している。
同イベントが初めて開催された2009年、天猫で参加したのは27種のブランドにとどまり、1日目の売上額は5000万元(約8億5000万円)にとどまった。3年後の12年、天猫の取引額は100億元(約1700億円)を突破し、最終的に計191億元(約3228億円)に達した。16年には、開始からわずか6分58秒で取引額が100億元を突破した。そして、今年は、わずか3分1秒で100億元を突破し、11日の取引額は1682億元と、8年前と比べて3000倍以上になった。
このような熱狂的な盛り上がりは、中国だけでなく、海外でも起きている。中国に住んで2年になるドイツ人の男性・クリスさんは最近、帰国した際、「『ダブル11』に、天猫とか京東で、何を買ったの?」と友人らに聞かれ、びっくりしたという。中国のネットショッピングがすでに世界中に波及しているとは想定外のことだったため、クリスさんはそう質問されてすぐに反応することができなかった。
統計によると、阿里巴巴(アリババ)では今年、業者14万社が「ダブル11」に参戦し、うち6万社は海外の業者で、昨年と比べると約5倍の数字となった。アリババの運営する海外向けB2Cサイト・アリエクスプレスでは、3時間50分で取引件数が1000万件を突破した。
これらの世界を驚かせる数字は、「ダブル11」のグローバル化が急速に進み、中国の消費スタイルが世界に影響を与えていることを示している。
海外機関の統計によると、10年前、中国のネット通販の取引額が、世界総額に占める割合は1%以下だったものの、現在では40%を超えるようになっており、英国、米国、日本、フランス、ドイツの5ヶ国の総和を超えている。16年、中国の個人消費関連のモバイル決済取引額は7900億ドル(約88兆929億円)と、米国の11倍に達した。米ボストン・コンサルティング・グループの報告によると、アマゾンは米国での浸透率を50%に到達させるのに14年を費やしたのに対して、淘宝は中国で、9年でその数字まで到達させた。
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