米国のトランプ大統領が「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」から永久に離脱することを発表してから1年経ち、米国抜きの11ヶ国による新協定「TPP11」の条文がこのほど公表された。新協定の正式名称は「CPTPP(包括的および先進的環太平洋連携協定)」で、チリで3月8日に署名される予定だ。環球時報が報じた。
ロイター通信の21日付けの報道によると、オーストラリア政府が同日発表した「TPP11」には、米国が主張した知的財産分野などの22項目が、効力を停止する凍結項目として列挙されている。シドニー大学法学部のリーキンバリー・ウェザーロール教授は、「TPP-11」の最大の変化について、「協議中だったたくさんの項目が凍結されたこと。医薬品の知的所有権保護を巡るルールなど、その多くは、米国が『TPP-12』に盛り込むよう要求していた」と説明した。
米国がTPPを離脱して以降、日本を筆頭とする11ヶ国は今年1月、「CPTPP」を発表した。同協定は、TPPの内容の95%以上を引き継いでおり、発効条件が大幅に緩和された。これまで、米国を含む12ヶ国のGDPの85%以上を占める6ヶ国以上の批准が必要で、GDPの60%超を占める米国の批准が必須だった。しかし、米国が離脱したことによって事実上TPPが撤廃された。新協定は、11ヶ国のうち、6ヶ国の国内承認手続きが完了すれば発効できる。フランス通信社はニュージーランドのパーカー貿易相の話として、「新協定は18年末か、19年上半期に発行するだろう」と伝えた。
ロイター通信によると、新協定が発効すれば、世界のGDPの13.5%を占めるエコノミーの関税が下がり、経済効果は13兆ドル(1ドルは約107.4円)に達すると見込まれている。米国を加えると、その割合が40%になる。オーストラリアのチオボー貿易相も21日、「新協定により、加盟国間の関税の98%以上が撤廃される」との見方を示した。
カナダ放送協会は21日、同国国際貿易部長の見方として、「新協定の発表を歓迎する。昨年11月、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、日本、チリ、ペルー、メキシコ、カナダの11ヶ国の閣僚が参加した、ベトナム・ダナンでのTPP閣僚会合で、TPP11協定が大筋合意に至っていたものの、カナダが自国のフランス語文化や工業部門に配慮して合意しなかったため、合意が持ち越された。そして、先月、カナダのジャスティン・トルドー首相がスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で、新協定にすでに合意したと発言した」と伝えた。
フランス通信社によると、20日、米国共和党議員25人が連名で、トランプ大統領に対してTPP への再関与を求める書簡を送った。これは、共和党議員51人の約半数を占める人数だ。トランプ大統領は先月にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で、「かなり有利な協定にできるのなら、TPPを受け入れる」と、米国が改めて協定に参加する用意があるとの考えを示した。しかし、パーカー貿易相は21日、今後数年以内に米国が協定に加わる可能性は「非常に低く」、米国がCPTPPに加わる意向を表明しても、参加国がすべての凍結項目を解除する保証はないと述べた。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年2月23日
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