日本はビジネスの利益を巧妙に獲得し、かつ批判されないようにするため、「海外投資戦略」をとることにした。第三国を経由した輸出、現地生産方式を通じて、日米貿易の統計上の赤字の規模を縮小させ、日本の真の国際競争力を押し隠した。05年に小泉内閣が発足して初めて、(『日本21世紀ビジョン』を打ち出すことで)「投資立国」戦略を公に明確にした。
日本は、米国の経済発展段階を観察し、不可逆的な日本経済の構造的矛盾を考慮して、日本の経済財政諮問会議が05年4月に発表した「日本21世紀ビジョン」の中で、「2030年の経済の姿」として、「これまでの『輸出立国』から、優れた経営資源や技術を活用しグローバルに投資活動を行う『投資立国』へと発展していく」と展望を語った。ここから日本が海外投資の位置づけを国の命運に関わる「百年の大計」へと引き上げたことがうかがえる。
日本の安倍晋三首相が2回目に政権を取った後、日本の海外投資は目立って加速し、年間投資規模は1千億ドルの大台に乗り、過去5年間で対外資産は50%増加した。
一方で、企業は東日本大地震による福島県の津波被害を通して生き残りへの危機感をはっきりと感じるようになり、海外投資や海外での合併買収(M&A)の歩みを加速させた。また一方で、政府は金融機関の海外投資の制限を緩和し、グローバルな「金融資本大国」の構築を試行した。
日本国内での投資は利益がほとんどゼロという厳しい現実の中、企業と個人による海外証券投資が活発だ。たとえば年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の場合、18年6月末現在の投資残高に占める海外証券の割合は37%に達し、5年前に比べて17ポイント上昇した。
注目されるのは、日本がここ2年ほど中国金融市場を非常に重視していることで、野村證券などは中国の金融開放のチャンスをつかまえ、中国に持ち株比率51%の合弁証券会社設立を提起している。
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