北京7-11はこれまでオンラインチャンネルに対し慎重な態度を取っており、今後さらにEC市場での配置を進めるかとの質問に対しては、「自前のECなどを開発する予定はない」と明言した。一方、ファミリーマートは2014年にデリバリー大手Elemaと提携を開始し、今年2月にはサービスプラットフォームの京東到家と提携する店舗が年内に500店舗に拡大すると宣言した。京東到家に早くから出店している一部都市の7-11店舗は、今年1月の同プラットフォームでの売上高が前年同期比400%も増加した。
新小売アナリストの雲陽子さんは、「目下のオンラインとオフラインの融合という大きな流れの中、O2O(オンラインツーオフライン)もコンビニのサービスの一環になる。従来型コンビニにもECは展開する価値があり、オンラインルートでフローとより全面的なサービスモデルを増やせば、売上の伸びをもたらすだけでなく、コミュニティを発展させ、消費者との連動の機会を増やすこともできる。小規模業態にとっては、店舗の周辺の範囲で顧客を維持することが非常に重要になる」と述べる。
▽開拓を待つECの潜在力
小売の実店舗がECの一撃を食らうなどとかまびしく言われる中、消費ニーズをすぐに満たしたい消費者の欲求を満足させるコンビニは、これまではECの影響を最も受けにくい業態とされてきた。中国チェーン経営協会が発表した「2017年中国チェーン企業ベスト100」によると、コンビニは小売の実店舗を手がける企業の中で最も成長ペースが速い業態で、コンビニベスト100の17年の売上高増加率は16.9%、店舗の増加率は18.1%あった。
だが多くのコンビニ企業はオンラインのO2O業務のほかにも、さまざまなやり方でオンラインチャンネルを探っている。たとえばファミリーマートが消費者に提供するECサービスには、貯めたポイントを商品に交換できる集享商城もあれば、有料会員向けに選りすぐりの商品を集めたオンラインスーパーもある。全時は自前のオンライン店舗で生鮮農産品などの販売を試行し、SKUに限界がある実店舗を超えてさまざまなシーンの消費ニーズに応えようとしている。
快客の前社長で朗然資本の共同創始者の潘育新さんは、「従来のコンビニ店舗の一部はオンラインチャンネルのもつ成長の可能性を回避してはいないが、これまでに行われた事例をみると、まだ成功例はなく、オンライン売上高がもたらした成長はまだそれほど大きなものではなく、全体に占める割合も限定的だ。O2O以外の総合的ECサービスを進めるにはグループ全体の調達力をよりよく検討する必要があり、店舗の倉庫だけで消費者のロングテールのニーズを満たすことはできない」との見方を示す。前出の雲さんは、「従来型コンビニ店舗は主にリアルタイム消費の流動的顧客が中心で、ECは固定客が中心だ。両者の経営思考は異なり、流動的顧客と固定客を深く融合させようと思えば、従来型コンビニ店舗で店舗や商品など各方面の系統的な再構成を行う必要がある。そうしなければECチャンネルに力を入れても単なる補助にしかならず、大きな価値を生み出すことはできない」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年8月22日
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