検索エンジン大手の百度(バイドゥ)は17日、米シリコンバレーの配車アプリケーションベンチャーのウーバー(Uber)と協力合意を結び、今後同社へ戦略的投資を行うことを明らかにした。これによりBATと呼ばれる中国ネット大手の百度、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)がすべて配車アプリをめぐる戦いに乗り出したことになる。「新京報」が伝えた。
▽ウーバーは「中国現地化」を希望
ウーバーは2009年に設立された。本社は米国・サンフランシスコにあり、主に配車アプリケーションの開発を手がける。設立当初はハイクラスのオーダーメード型配車サービスを提供していたが、その後徐々にエコノミー価格の配車サービスへと業務の幅を広げている。中国市場には14年2月に進出し、北京、上海、広州、深センなど9都市で業務を展開している。
今回の合意締結を受けて、双方は技術イノベーション、国際市場の開拓、中国でのO2O(オンライン・オフライン間取引)サービスの開拓の3分野で協力を進めていく。最も直接的な「一致点」は百度地図で、利用者は百度のオンライン地図を検索後すぐにタクシーを呼べるようになる。
ウーバーの創始者で最高経営責任者(CEO)のトラビス・カラニック氏は、「ウーバーの大陸部での業務を根本的に現地化させる必要がある」と強調しつつ、「このたび百度との戦略的協力を選択したのは、この目的をかなえるためだ」と説明した。
市場では、百度はウーバーに6億ドル(1ドルは約118.4元)を出資する見込みで、ウーバーの現在の時価総額は400億ドルと伝えられている。百度の李彦宏CEOはこのことについて、「具体的な金額を公表しないのは、戦略的協力に注意力を集中させたいからだ。外部には、百度は全額買収するという見方があるが、これは誤解だ。百度が行った一連の投資では、たとえば去◆(「口偏」に「那」)爾網、愛奇芸、91無線、糯米網などへの投資では、百度はいずれも支配株主になっている」と話す。
ネット調査会社・易観国際のビジネスソリューション担当の田崢副総裁(副社長)は、「百度がウーバーに投資する根本的な理由はO2Oにある。配車アプリがO2Oへの布陣で最も重要なツールであることが改めて確認された」と話す。
また田副総裁によると、配車アプリの滴滴打車が提携する騰訊にもたらした最大の戦略的価値は、利用者の間に傘下の「微信」(WeChat)のモバイル決済サービス「支付宝銭包」を普及させたことで、百度にとっては最も核心となるのは決済業務での飛躍だ。ウーバーは百度の決済システムを支援し、これを普及させることになるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月18日