先週末の中国都市部のテレビ視聴率と中国全土のそれを比較すると、都市部の人は個性的なドラマを好んでいるのに対し、農民や出稼ぎ労働者は「時代伝奇もの」を好んでいることが分かる。新京報が報じた。
さまざまな需要に対応するために、メディアリサーチ会社・索福瑞媒介研究(CSM)は複数の統計ネットワークを有しているが、大きく分けると「全国」と「都市部」となる。文字通り、「全国」は農村と都市部両方をカバーしており、中国全土が調査の対象で、理論上、13億人の人口を抱える中国全体の視聴状況を示している。一方、「都市部」は都市で生活する人々の視聴状況を示している。
農村部と都市部は環境が大きく異なり、テレビの視聴率にも大きな差が出る。先週、各テレビ局が放送したドラマの視聴率を見ると、おもしろい結果になっている。例えば、湖南省の衛星テレビが放送した「陶之恋」や山東省、四川省の衛星テレビが放送した「我和我的伝奇奶奶」は「全国」では視聴率トップ3に入っているのに対し、「都市部」ではトップ10外となっている。一方、北京の衛星テレビが放送した「我的児子是奇葩」は都市部で視聴率断トツ1位となっているのに対し、全国では5位にとどまっている。この結果から、農村や小都市の視聴者は伝奇ものを好むのに対し、都市部の視聴者は都市が舞台の感情をテーマにしたドラマを好んでおり、都市部と農村では、視聴者の好みが異なっていることが分かる。
多くのテレビ局は、主に都市部の視聴率を基に評価を下し、湖南省や江蘇省、浙江省、北京などの衛星テレビが放送するドラマは安定した視聴率を残している。近年、テーマの選択肢が狭まっていることやプロダクト・プレイスメントが増加しているため、省級の衛星テレビは都市で展開される感情をテーマにしたドラマを主に放送している。一昨年は「嫁姑問題」をテーマにしたドラマが流行し、昨年は「育児の難しさ」をテーマにしたドラマが流行した。そして、今年は「婿舅問題」をテーマにしたドラマが流行している。非現実的なストーリー、庶民的なストーリー、誇張されたストーリー、現実的なストーリー、どれもが高視聴率を記録し、話題となっている。
一方、都市部、農村部にかかわらず人気となっているドラマも少数ながらある。例えば昨年の「有你才幸福」や「咱們結婚吧」、今年の「父母愛情」などだ。これらのドラマは現実的なストーリーで、見る人を温かい気持ちにさせるため、都市部、農村部を問わず人気となり、好評を博する。
中国のテレビドラマ産業は現在、商業化が進みハードコアなものが増加しているが、本当に人の心を打つ作品はやはり高い視聴率を記録している。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年3月12日