米国で大ヒット中のサスペンスドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」シーズン2の配信が最近、米映像ストリーミング配信事業会社・ネットフリックスから始まり、オバマ米大統領まで巻き込む大ブームとなっている。人民日報が報じた。
米国の政界の内幕を描く同ドラマは、中国ネットユーザーの間で、「ホワイトハウス版・宮廷の諍い女(原題:後宮・甄嬛伝。中国で大ヒットしたドラマ)」と呼ばれている。また、シーズン1の配信が始まった昨年の2月から、業界関係者の間や視聴者の間で大きな話題となると、学界や業界の間では、テレビ業の今後の発展の方向性についても熱く議論されるようになった。同ドラマは、米国の政界をめぐるリアリティあふれる設定が話題になっただけでなく、インターネット上だけでの配信など、これまでのドラマの常識を覆し、改革中の「インターネットテレビ」業界に範例を残す形となった。メディア史上に正に新たな1ページを加え、さまざまなメディアの形態、機能、発信方法、組織構造などを融合させることによって質的変化をもたらす「メディアの融合」に挑戦しているのだ。
まず、同ドラマは、従来のテレビのように、「製作」と「放送」を分けて考えるというスタイルに改革をもたらしている。同ドラマでは、製作機構が単に作品を製作するというのではなく、ネットフリックスが所有しているユーザー約3000万人の視聴行為に関するビッグデータを基に、ネットユーザーの「検索」、「お気に入り追加」などの習慣を分析してから製作が開始された。同社は、ビッグデータを徹底的に研究した後、世論的影響力や市場価値を最も有している主力グループは、「専門的な職に就く中年の男性」と判断。同グループの好みに基づいて、監督にハリウッド屈指のヒットメーカー、デヴィッド・フィンチャー監督を招き、主演には1999年にアカデミー主演男優賞を受賞した俳優のケヴィン・スペイシーを起用。テーマに政界サスペンスを採用して、ドラマを製作したのだ。
また、同ドラマの配信の仕方も、これまでのテレビドラマのように1週間に1話ずつ放送するという方法ではなく、ネットフリックスの配信サイトに1シリーズ全てを一挙に配信するというスタイルを採用し、ネットユーザーの視聴習慣に合わせた。統計によると、2013年、米国の視聴者の60%以上が、「1度にドラマを何話も見る」だった。