しかし、本田はホームに初登場して、夢のような数字を叩き出した。出場時間65分の中で、シュートを2回放ち、うちゴールを1本決めた。49本のパス成功率は90%に達し、アシスト3回のうち、2回を成功させた(うち、1回はシュートにつながり、もう1回はバイタルエリア内のフリーキックへとつながった)。このほかに、本田は3回のペナルティを誘い、1回はフリーキックを通して勝負を決定づけるゴールへとつながった。イタリアのメディアは、「これは夢のような選手が作った夢のような数字だ」と評した。
初めてプレイするチームメイトとまだまだ息が合っているとはいえない中、本田はACミランに加入して初のゴールも決めた。47分に、リッカルド・モントリーヴォのミドルシュートを相手GKが弾いたところを本田が機敏に反応し、ペナルティエリア内左から蹴り込み、チーム3点目をマークした。メディアは、「本田のフィジカルや筋力はセリアAの中では強いとは言えない。しかし、的確なポジショニング、常に走り続ける運動量、突出した意識が勝利を呼んだ」と評した。これ以前に、本田は小さい頃の夢が、「Wカップで有名になって、ヨーロッパのセリエAに入団し、レギュラーになって10番で活躍する」ことだったと率直に語っている。現在、本田はすでにこの目標のゴールに近づいている。
本田は、日本の有名なサッカー漫画「キャプテン翼」のキャラクター・日向小次郎に憧れていたという。「キャプテン翼」の作者である漫画家の高橋陽一氏は、「僕も本田選手のスタイルは日向小次郎に似ていると思っていた。ある意味、本田選手が漫画を超えてしまったのかもしれない」と語っている。高橋陽一氏は2000年初めに日本サッカーを題材にした「ハングリーハート」を描いている。その主人公の兄はまさしくACミランの10番をつけている。