国防白書:中国の武装力の多様な運用 (11)
--中華人民共和国国務院新聞弁公室 2013年4月 四、国の経済社会の発展を保障する
人民の平和的な労働を守り、国の建設事業に参加し、誠心誠意人民に奉仕することは、中国の武装力が憲法と法律により与えられた重要な任務である。中国の武装力は国の改革・発展の大局に奉仕し、国の建設と災害救援に積極的に参加し、法律に基づき社会の調和や安定を守り、国の発展上の利益の確保に努めている。
■国の建設に参加する
軍隊と武装警察部隊は、教育・訓練、戦備勤務、科学研究実験などの任務を完遂するという前提の下で、国と地方の経済社会発展の計画や配置をめぐって、地方のニーズと大衆の要望と部隊の能力を結びつけ、人材や装備、技術、インフラなどの面における資源と優位を生かして、地方のインフラ建設の重点プロジェクト、生態環境の整備、社会主義新農村の建設を積極的に支援し、貧困扶助・困難救済、就学支援・教育振興、医療支援などの活動をきちんと行い、地方の経済発展や社会の調和、民生の改善を促すうえで重要な貢献をなしている。 インフラ建設の重点プロジェクトを支援する。水利・電力、交通、工事、測量・製図など専門部隊の利点を生かし、国と各地の交通、水利、エネルギー、通信など国の経済と人民の生活に関わるインフラ建設を支援する。2011年以来、延べ1500余万の労働日を費やし、120万台以上の機械車両を出動させ、空港や道路、鉄道、水利センターなど省レベル以上の重点プロジェクト350件余りの建設を支援した。武装警察水利・電力部隊は前後して雲南省糯扎渡水力発電所、四川省錦屏水力発電所、チベット自治区旁多水利センターなどの水利・水力発電、鉄道、天然ガスパイプラインプロジェクト115件の建設に参加した。武装警察交通部隊は新疆ウイグル自治区の天山道路、甘粛省洛塘河の特大二層橋、チベット自治区墨脱道路ガ隆拉トンネルなど172件のプロジェクトを請け負い、工事総延長は3250キロにおよぶ。
生態整備と環境保全に参加する。編制組織された部隊と民兵・予備役人員は荒れ山の緑化、砂漠化防止、湿地の生態保護などの活動に参加し、北京・天津砂嵐発生源対策、タクラマカン砂漠を取り巻く地域の緑化、長江・黄河上中流域の生態保護、チベットの「一江両河」(ヤルツァンポ河、ラサ川、ニエンチュ川)整備など国の重点生態エリアと生態プロジェクトの建設を支援している。この2年間に、1400余万本を植樹し、大規模な植林、空からの播種による造林、荒れ山、荒れた河原周辺の緑化が300万ムー(1ムーは0.067ヘクタール)以上に達した。測量・製図、気象、給水などの技術部隊は地方に大地の調査・測量、気象・水文予報、水資源探査などのサービスを提供している。
貧困扶助・困難救済と新農村建設の支援に力を入れる。各部隊は前後63の貧困県、547の貧困郷・鎮を支援対象とし、貧困扶助連絡スポット2万6000カ所を設置し、農地の水利事業、村の道路整備、小流域治水など2万件以上の小規模工事を支援し、特色のある優位産業1000件以上を扶助し、発展させ、40万人以上の貧困な民衆が貧困から脱却し豊かになるよう支援した。北京軍区給水工事連隊は相次いで雲南、広西、山東、河北、内蒙古、貴州などの地で地方を支援して水源を調査し、358基の井戸を掘り、96万人の生活用水と8万5000ムーにおよぶ農地の灌漑用水をまかなった。蘭州軍区給水工事連隊は、「100基の井戸を掘って農民を支援し豊かにする」プロジェクトを実施し、寧夏中南部の干ばつ地帯で水源を調査し192基の井戸を掘り、39万人と57万頭の家畜の飲料水、3万7000ムーにおよぶ農地の灌漑用水の不足を緩和した。
科学技術・教育・文化・医療衛生事業を支援する。2011-2012年、軍事大学や科学研究機関、専門技術部隊は、国の重大な特定プロジェクト、科学技術サポート計画など200余件の課題研究を担当し、220件の科学技術難関突破プロジェクトに参加し、180件の科学技術の成果を譲渡した。軍隊と武装警察部隊の108カ所の病院は、一対一の形で西部の貧困地域の県レベル病院130カ所を支援し、軍団以下の医療衛生機関は一対一の形で郷・鎮の衛生院(衛生所)1283カ所を支援した。2009-2012年、新疆ウイグル自治区、チベット自治区など西部の少数民族地域で力を集中して「八一愛民学校」57カ所の建設を支援し、3万人以上の児童を入学させた。
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