国防白書:中国の武装力の多様な運用 (19)
--中華人民共和国国務院新聞弁公室 2013年4月 ■中国と外国の合同演習・訓練
人民解放軍は非同盟、非対抗、第三者に矛先を向けることのない方針と戦略的互恵、平等に参与、対等に実施、という原則を堅持し、外国軍隊と多レベル、多分野、多軍種・兵種の二国間および多国間の合同演習・訓練を行っている。2002年以来、人民解放軍は協議や約定に基づいて31カ国と28回の合同演習、34回の合同訓練を行い、政治・軍事面における相互信頼の促進、地域の安全・安定の維持、軍隊の現代化建設強化のうえで積極的な役割を発揮した。
上海協力機構(SCO)の枠組み内での合同反テロ軍事演習に組織化への進展がみられた。中国は上海協力機構の加盟国とすでに二国間や多国間の合同軍事演習を9回行っている。2005年からは、戦略的影響を有し、戦役レベルを備えた、比較的大規模な「平和の使命」シリーズの合同軍事演習を行った。それには「平和の使命-2005」中ロ合同軍事演習、「平和の使命-2007」上海協力機構武装力合同反テロ軍事演習、「平和の使命-2009」中ロ合同反テロ軍事演習、「平和の使命-2010」上海協力機構武装力合同反テロ軍事演習、「平和の使命-2012」上海協力機構武装力合同反テロ軍事演習が含まれる。演習はテロリズム、分裂主義、過激主義の勢力を抑止し、それに打撃を与え、上海協力機構加盟国が共同して新たな挑戦、新たな脅威に対応する能力を高めた。
海上での合同演習・訓練が引き続き拡大している。ここ数年、中国海軍はアラビア海でパキスタンが主催する「平和-07」「平和-09」「平和-11」多国間海上合同軍事演習に連続して参加した。中ロ両国の海軍は海上交通安全確保合同作戦を課題とし、中国の黄海海域で「海上連合-2012」軍事演習を行った。中タイ両国の海軍陸戦隊は「藍色突撃(ブルーアサルト)-2010」と「藍色突撃-2012」合同訓練を行った。中国海軍は艦艇の相互訪問などの活動と結びつけ、インド、フランス、イギリス、オーストラリア、タイ、アメリカ、ロシア、日本、ニュージーランド、ベトナムなどの国の海軍と通信、編隊運動、海上補給、ヘリコプターの相互着陸、対海射撃、合同船舶護衛、艦上検査、合同捜索・救援、潜水などの訓練科目についての二国間や多国間の海上演習・訓練を行った。
陸軍の合同訓練は徐々に深化した。2007年以来、中国陸軍は外国の陸軍と複数の合同訓練を行ってきた。インド陸軍とは「携手-2007」「携手-2008」反テロ合同訓練、モンゴル陸軍とは「平和維持の使命-2009」平和維持合同訓練、シンガポール陸軍とは「協力-2009」「協力-2010」安全保障合同訓練、ルーマニア陸軍とは「友誼行動-2009」「友誼行動-2010」山地部隊合同訓練、トルコ陸軍とは突撃分隊による合同軍事訓練を行った。中国陸軍特殊部隊はタイ陸軍特殊部隊と「突撃-2007」「突撃-2008」「 突撃-2010」反テロ合同訓練、インドネシア特殊部隊とは「利刃(シャープナイフ)-2011」「利刃-2012」反テロ合同訓練、パキスタン特殊部隊とは「友誼(フレンドシップ)-2010」「友誼-2011」反テロ合同訓練、コロンビア特殊作戦部隊とは「協力-2012 」反テロ合同訓練を実施した。2012年11月には、ヨルダン特殊部隊と反テロ合同訓練、アメリカ陸軍と人道主義救援・減災の合同屋内想定演習を行った。
空軍の合同訓練は進展をとげた。2011年3月、中国空軍合同訓練分隊はパキスタン空軍と「雄鷹-1」合同空戦訓練を行った。10月、中国とベネズエラのパラシュート兵は「協力-2011」都市反テロ合同訓練を実施した。2011年7月、2012年11月、中国とベラルーシのパラシュート兵は「神鷹(イーグル)-2011」「神鷹-2012」合同訓練をそれぞれ行った。
衛生勤務合同訓練は着実に展開されている。2009-2011年、人民解放軍医療隊は前後してガボンとペルーに赴き、「平和の天使」という人道主義医療救援合同行動を実施し、またインドネシアに赴き、アセアン(ASEAN)地域フォーラムの災害救助演習・訓練に参加した。2012年10月、人民解放軍衛生勤務分隊はオーストラリア軍、ニュージーランド軍と「協力の精神-2012」という人道主義救援・減災の演習・訓練を行った。
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