漫画イベント会場にて |
だったら、スポーツが好きなので、スポーツで友達を作ろうと思って、運動場とか体育館に行って、一人でバスケをして、中国人に声をかけて一緒に遊んだりしました。実際、その方法で友達もできたんですけど、スポーツで作った友達は実はしゃべる必要がないんですよ。明日も一緒にやろうとか、プレイ中に「ナイスシュート」と言うぐらいで、全然中国語を使いませんでした。あぁ、しくじった。この作戦はだめだなと。(笑)友達ができても、あんまり言葉の交流がないとまた少しがっかりしました。
それで、個人の交流が駄目なら、団体に入って交流をしようと思いつき、サークルに入ろうとしました。でも、中国の大学では、サークルの存在がどこにあるのかわからないんです。日本だったらサークルの勧誘ってもっとアピールしてますよね。でも、友達は誰もサークルに入っていなかったですし、大学内に貼り紙とかもなく、アプローチの仕方がわかりませんでした。
その時に、それだったら、自分でサークルを作ればいいんだという考えが浮かびました。最初に思いついたのはやはりスポーツでした。バスケにしろ、サッカーにしろ、始めようと思うと、人数や場所を確保しなければならないし、大変ですよね。でも、日本人向けのフリーマガジンを見てみると、スポーツ系のサークルはすでにいっぱいありました。だったら、他にはなくて、中国人が来てくれそうなものって何があるのかな?と思ったときに、アニメを思いついたんです。それをきっかけに漫研を作ろうと思い立ちました。
■オフ会では「本当にオタクなんですか?」とよく言われます。(笑)
―――――最初は、中国人の友人を作るための手段だったんですね。
そうですね。最初から漫研をどうしてもやりたくて、作ったわけではないんです。ただ、中国人との交流の場として、いったい何が中国人と共通で楽しむことができるのかと考えた時に、僕の中ではスポーツかアニメしかなくて。それに、アニメならスポーツと違って話せるぞと思ったんです。そういう意味では、「北京漫画研究会」というのは、僕が個人的に中国人との交流の場を作りたくて、作ったサークルだったんです。それが、意外と反応があって、どんどん人が集まってきて今に至っているわけです。
―――――「北京漫画研究会」では具体的にどんな活動をしているのですか?
「北京漫画研究会」のコンセプトは、アニメを通しての日中交流なのでオフ会には必ず中国人の方々に来てもらって日本人の方と交流しています。活動としては、一つ目は、どこかのお店に日本人や中国人のメンバーと集まって、日本語や中国語でアニメやゲームについて語り合うオフ会を開催することです。
二つ目は、実は北京では、ほぼ毎週のようにどこかで漫画、アニメ、ゲーム関連のイベントが開催されているので、そのイベントにメンバー同士でコスプレで参加したりしてます。
―――――佐々木さんの漫画体験はどういうものだったんですか。かなり小さい頃から漫画・アニメに夢中になっていたのでしょうか?
いいえ。小さい頃からごく自然に当たり前のように「ワンピース」とか「ナルト」は見ていましたが、アニメ・漫画体験は非常にごく一般的だったと思います。一番最初に見たアニメは、多分テレビで偶然放送していた「ワンピース」でした。ちょうど6歳ぐらいの頃ですね。漫画を読むようになったのは、小学校5、6年生ぐらいだったと思います。それも、ジャンプ系とか単行本を集めて読むぐらいでした。中学校でもたまに読むぐらいで。