中国で増えるエリート同士の別居婚
めでたくゴールインしても、お互いの都合で別居という選択を余儀なくされ、「独身」時代と同じような生活を送っている夫婦が増えている。自分の仕事のため、あるいはお金を稼ぐため、と原因は各種各様だが、このような夫婦は「既婚シングル」と呼ばれている。それぞれのカップルの背後には、言葉では言い尽くせないほどの悲しみ・辛さ・やるせなさが満ち溢れている。重慶商報が報じた。
ネットユーザー「一zheng一世界」さんは、自分と妻との危機に瀕した結婚生活についてネット上で取り上げ、「すべての元凶は物理的距離」と指摘、「もう一度やり直せるなら、絶対に別々に暮らすようなことはしない」と断言した。「既婚シングル」の圧倒的多数はエリート族で、夫や妻と一緒に過ごせるのは、悲しいことに休暇の時だけという。
■仕事のために新婚1カ月で別居 2年後持ち上がった別れ話
重慶に住む「一zheng一世界」こと徐申さん(仮名、26)は、2011年2月、恋人の霞さんとゴールインした。2人が甘い新婚生活をスタートさせた矢先の3月、徐さんにラサ転勤の辞令が出た。2人は、わずか新婚1カ月で、2年間近くに及ぶ別居生活に入らざるを得なかった。
2年近く続いている別居婚について、徐さんは次の通り振り返った。
「結婚した直後に転勤を命じられ、とても承服できなかった。しかし、仕事のために悲しみに耐えるしかない。生きていくには物質的基盤がないと始まらない。愛しい妻が生活のために苦しい思いをするは自分にとってもつらい。ラサから重慶まで、直線距離にして1478キロ。電話やたまにビデオ会話をする以外、夫婦の交流手段は皆無だ。1478キロメートルという距離は、夫婦の愛情面で最大の溝となった。毎日電話で話していたが、妻が『夫が自分を省みてくれない』と感じるようになり、次から次へと疑念が生まれ、問題がどんどん起きた。私の仕事は大変忙しく、夜中まで及ぶこともたびたびあった。妻は重慶の電子製品工場で働いていたが、仕事内容は比較的楽なものだった。私が忙しい時や疲れて休みたい時、妻はしつこく私に絡んできて、問題の種を撒くのが、揉め事が起こるいつものパターンとなった。妻が私を信じられなくなったことで、電話で話せば必ず喧嘩になった。週に3回は喧嘩し、妻が『離婚』を口にする回数がどんどん多くなった」