台湾を個人で訪れる大陸部観光客の台湾滞在期間が、現行の15日から30日に延長される見通しが高まっている。台湾の業界関係者によると、改正案はすでに関連部門に提出され、現在は最終審議が進められている段階で、可決されることはほぼ間違いない。台湾メディアの報道を引用して人民日報海外版が伝えた。
○個人旅行者に多大なメリット
台湾の現行規定では、大陸住民が台湾に個人旅行する場合、台湾滞在期間は15日以内と定められており、期限内に大陸部に戻らず台湾で「不法超過滞在」することは禁じられている。同規定によって、「台湾への個人旅行は、実のところ自由ではない」と感じている大陸部住民は少なくない。
台湾を訪れる大陸観光客の旅行パターンは、ますます多元化しており、完全フリープランや一部フリープランを選ぶ旅行者が急増している。旅程についても、これまでの「全島一周」というお決まりのパターンから、「とことん堪能台北」「台湾西沿岸部スペシャル」「台湾南部を極める」など、エリア特化型旅行に変わりつつある。
個人観光客が増加の一途を辿るにつれ、台湾の観光業界は、「観光客が個性的な旅行を求めるに伴い、彼らのニーズが多様化している。それらのニーズに応じるべく、台湾の旅行業者も適宜調整していく必要がある」ことを自覚し始めている。そこで問題となるのは、訪台個人観光客に大きな制約を課している現行政策だ。申請手続は決して簡便とは言えず、条件もかなり厳しく、旅行会社による代行手続が義務付けられている。滞在期間が30日まで延長されれば、台湾各地の細部までじっくり堪能したいと願う個人旅行者に多大なメリットがもたらされる。また、大陸部住民の訪台観光ブームが高まることも予想される。
○観光客数と観光収入の増加に期待する台湾
台湾の旅行業者によると、2013年に台湾を訪れた個人観光客の総数は延べ52万人、一日あたり観光客数は、2013年の延べ3千人から今年は延べ4千人に増えると予想され、年間では延べ90万人に達する見通し。台湾観光局の統計データによると、台湾を訪れる大陸部観光客の一日あたり消費額は1人平均265.62ドル(約2万7120円)。今年、延べ約50万人の大陸部観光客が台湾を訪れ、旅程が20日に延びると仮定すれば、台湾の関連各業界にもたらされる収入総額は約200億新台湾ドル(約676億8300万円)に達すると見込まれる。
台湾の業界関係者は、「台湾を訪れる大陸部観光客が日本人観光客と違うのは、旅行費用全体に占める宿泊費の割合が低いが、ショッピングに費やす額が約6割を占めるという点だ。また、個人観光客は台湾各地を『駆け巡る』。そして、彼らが訪れる先は、大陸部ツアー客が回る定番の観光地とは違う。個人旅行者の滞在期間が延長されると、台湾観光業はより多くの利益を手に入れることになるだろう」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年5月6日