これまで現金を銀行に預ける場合、普通預金の利息は雀の涙ほどだった。だが銀行の資産運用商品を購入する場合、最低でも5万元からで、資産を運用しようとしても、銀行は相手にしてくれなかった。だが今は違う。インターネット通じて、通貨ファンドのドアを自由に出入りできるようになり、銀行の20倍にもなる高い収益に小規模投資家たちは溜飲を下げている。「中華工商時報」が伝えた。
昨年から「余額宝」(「支付宝」(アリペイ)が提供する少額でもファンド投資が行える金融サービス)を代表とするネット金融商品が、人々の資産運用の習慣を変えると同時に、伝統的な金融機関に「新大陸」を発見させることになった。今年はさらに多くの「余額宝」の後輩達が戦線に参入しているが、高い収益率はいつまで続くだろうか。ますます増える「ちん入者」たちを前にして、銀行はこれからどう対応していくのだろうか。
「余額宝」、「理財通」、「零銭宝」、「百賺利滾利」……(いずれも投資金融サービス)。2013年に入ってから現在までの間に、ネット資産運用の分野でさまざまな動きがあり、各サービスがすくすくと成長を遂げた。その原因を考えると、一つは参入基準の低さであり、もう一つは収益率の高さだ。現在、市場で運営されるネットファンドの平均年収益率は6.2%から6.6%にも達する。
昔は資産を運用しようとしても、銀行は相手にしてくれなかった。こうした扇動的な言い方がなされるくらい、以前は多くの人が資産運用の入口のあたりをうろうろしてなかなか中に入れなかった。ネット金融が誕生する以前は、銀行を中心とした伝統的な資産運用ルートの中にあって、資産を運用するということは一定の身分の証だった。大多数の人は遊休資金を銀行の口座に預けておくしかなかった。
さまざまな現象からわかるように、ネット金融の銀行に対する打撃は、普通預金の分野から定期預金の争奪戦へと広がっている。
かねてより、預金の収益率はその他の金融商品への投資をはるかに下回り、これによって銀行は利益を上げてきた。だが今では1千億元を超えるようなネット基金があることからわかるように、一部の銀行の預金は貸付市場から資本市場へ「引っ越し」しており、特に最も基礎的な貯蓄預金が資本市場に流れ出している。