市場にはこのごろ、中国人民銀行(中央銀行)が2次元バーコードによる決済とバーチャルカードの利用を一時停止するとの情報が流れていた。人民銀支払決済局の周金黄副局長は14日に取材に答える中で、人民銀がこのほど阿里巴巴(アリババ)系の決済サービス「支付宝」(アリペイ)を手がける支付宝公司に対し、オフラインでの2次元バーコードによる決済などの業務の一時停止に関する意見の書簡を送るとともに、支付宝と騰訊(テンセント)のバーチャルカード商品と2次元バーコード決済などの対面式決済サービスを一時停止したことを明らかにした。「南方日報」が伝えた。
周副局長によると、人民銀の今回の動きは関連業務の発展を規範化し、消費者の権利を守ることが狙いで、特定の企業をねらい打ちしたものではないという。
▽一時停止は決済に潜在的問題があるため
周副局長は、今は「一時停止」にしただけで「業務停止」にしたわけではないと強調する。
人民銀の関連部門の責任者によると、ここ数年来、電子商取引(eコマース)とインターネット金融が急速に発展するのにともなって、決済サービスの革新がスピードアップし、消費者の多様で個別的な決済ニーズに応えたり、決済の効率を高めたりする上で積極的な役割を果たしてきた。だが一部の決済サービス会社がうち出した2次元バーコードによる決済やバーチャルカードといった決済商品は、顧客の実名登録制度の審査、決済の指示の確認、決済の安全性、取引情報の真実性・完全性、消費者の権利の保護などの面で隠れたリスクが存在し、既存の決済業務のルールとぶつかることもあったという。
従来の業務と比較すると、2次元バーコードによる決済やバーチャルカードを含む革新的な業務には、多くの新しい技術、新しいプロセス、新しい認識技術が含まれ、現行のルールではカバーしきれない面がいくつもあり、隠れたリスクがいくつか存在する。このため人民銀は革新的業務の研究を進める必要に迫られていた。
周副局長の説明によると、これまでに受け取った消費者からの苦情では、2次元バーコードによる決済の過程で、情報や資金が盗まれたというケースがいくつかあったという。
関連会社の関係者によると、今回一時停止になった2次元バーコードによる決済やバーチャルカードに関連する商品について、詳細な説明、管理制度、操作プロセス、機関同士の協力の状況と利益分配のメカニズム、顧客の権利保障メカニズム、緊急対応措置といった内容を書面で人民銀の杭州センター支店に報告するよう求められている。オフラインでの2次元バーコードによる決済やバーチャルカードの合法性と安全性を全面的に検討した後、今月31日までに支付宝公司の報告資料と関連の監督管理部門の提案を同局に送るという。