欧州系の航空機メーカー・エアバス(本社・フランス)の天津市にある組立ラインが稼働して以来、これまでに組立を終えて引き渡しした機体は160機に達した。エアバスがこのほど明らかにしたところによると、中国・海外の航空会社10数社が運営に関わり、天津で組み立てられるエアバス機は、欧州で製造された機体の品質基準を完全にクリアしているという。天津ラインは中国と欧州の工業技術協力における一つの模範になったといえる。人民日報が伝えた。
▽欧州外唯一の比翼サプライヤー
民用航空機の製造は「工業の花」と言われる。中国は2008年にエアバス社と協力して「A320」シリーズの組立ラインを建設。これはフランスのトゥールーズ、ドイツのハンブルグに次ぐ世界で3本目のA320シリーズ組立ラインであり、欧州外に初めて設けられた組立ラインでもあった。組立ラインは製造段階の最後に各パーツを組み立てるだけで、技術のウェイトは高くないとの見方があるが、実際には双方の工業協力は組立にとどまらず、原材料の調達、部品の設計・製造、大型部品の組立、航空機の組立などさまざまな分野に拡大している。
昨年、中航工業西安飛機工業(集団)有限責任公司がエアバス天津組立ラインに必要な比翼の90%以上を、同ラインに隣接する比翼組立工場で組立・テストした後、ドアツードアで引き渡しした。同公司が製造するエアバス用部品で、比翼は最大のものであり、技術ウェイトも最も高く、生産の難度も最も高いものだ。中国はエアバスが欧州以外で比翼の協力を進める唯一の国でもある。同公司はエアバスの支援を受けて、2012年に計画通りシャークレット装備の比翼第一号機をテスト製造した。今年の中頃からは天津工場でエアバス天津組立ラインに必要なすべての比翼を提供できるようになるとみられ、これにはシャークレット装備の比翼も含まれるという。
中国とエアバス天津組立ラインとの第二期協力合意がまもなく調印される見込みで、予定ではアジアや周辺国へのサービス提供、A320neo機の製造、現地化プロジェクトの増加などが含まれるという。また多くの中国サプライヤーが要請を受けて、エアバスの米国・アラバマ州での組立ラインの入札に参加した。
▽中国、ワイドボディ機の設計に参加