クロスボーダー電子商取引(EC)により、多くの中国企業が海外市場を開拓した。米ネットオークションのeBayが昨日発表した最新の報告書によると、上海のクロスボーダーEC事業者はすでに世界の200以上の国と地域をカバーしており、昨年の取引量は広東省と香港に次ぐ、大中華区の3位となった。そのうちファッション、家電、ホーム用品、自動車オプションが、上海クロスボーダーECの売れ筋商品となっている。文匯報が伝えた。
eBayグローバル副会長兼大中華区CEOの林奕彰氏は、「ECは中国の輸出入貿易の市場のカバー範囲を大幅に拡大した」と指摘した。上述した報告書によると、上海のEC事業者は昨年、成熟市場と新興市場で同時に攻勢をかけた。海外輸出の上位15の目的先のうち、米国、英国、オーストラリア、ドイツを始めとする成熟市場が中心的な地位を占めた。成長が最も著しい輸出先はアルゼンチン(162%増)、イスラエル(92%増)、スウェーデン(72%増)となった。
上海市商務委員会の責任者の顧嘉禾氏は、「クロスボーダーECの2008年以降の年間平均成長率は40%以上をキープしている。海外輸出は小規模かつ頻繁な取引を特徴としており、かつてのコンテナによる大規模な輸出入モデルを変化させた」と指摘した。
顧氏は、「上海自由貿易区の建設により、ECはクロスボーダー決済、貿易の利便性、倉庫保管・物流などの面で優位を持つようになり、『跨境通』(政府が認める国境を越えた電子商取引のテストプラットフォーム)などのEC企業がすでに入居している」と語った。
ファッション、家電、ホーム用品、自動車オプションは、上海クロスボーダーECの輸出総額でトップ4となっている。ホーム用品は2013年に前年比57%増に、自動車オプションは30%増になった。
上海のアクセサリーは、ファッション類商品の「主役」だ。かつては玉器など原料類の取引が中心であったが、現在はデザインとサービスの販売が中心となっており、EC事業者がより多くの旨味を得られるようになった。
モバイル決済と海外倉庫保管は、クロスボーダーECの武器だ。eBayの昨年のモバイル決済総額は270億ドルを超え、第4四半期の取引のうち40%がモバイル決済となった。「指の先の経済」は同時に、売り手に対して新たな課題を突きつけている。現在多くの中国クロスボーダーEC事業者が、海外に倉庫を建設し始めており、商品が顧客の家に着くまでの「最後の1キロ」の配送サービスのボトルネックを解消しようとしている。eBayは世界で39の拠点を設置しており、商品の配送を加速している。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月2日