人民銀上海本部の張新副主任によると、自由貿易用口座が真っ先に取り扱うのは人民元業務であり、計画では6カ月後に外国為替業務がスタートする予定だ。自由貿易用口座と海外の口座および国内の自由貿易区外の非常駐機関の口座、また自由貿易用口座間の資金の流動は、マクロ審査の原則を踏まえて管理を実施する。自由貿易用口座と国内(自由貿易区内を含む)の他の銀行の決済用口座との間の資金の流動は、限定的に浸透させ厳格に管理するとの原則を踏まえ、国境を越えた業務を参考にして管理を実施する。非金融機関の自由貿易用口座と同じ機関にある一般の口座との間の資金の振り替えは、実施細則が規定する4つのルートに基づいて手続きを行うという。
中国農業銀行上海市支店国際業務部の朱楹総経理によると、自由貿易用口座は企業にとってみれば一つのチャンスだ。過去には、貿易などの経常項目においてしか人民元と外貨との自由両替は行えず、投資などの資本項目における自由両替は制限されていた。将来は、企業の自由貿易用口座内の経常項目と資本項目の資金はどちらも自由両替が可能になる。これにより企業資本の運用効率は大幅に向上し、資金コストは低下する。
中国共産党上海市委員会の屠光紹常務委員(常務副市長)の説明によると、こうした制度の実施には、シンボル的な意味があり、基礎が備わり、方向性がある。上海自由貿易区の金融改革が新たな段階に突入したことを意味するという。
自由貿易区の口座別計算システムが構築されると、 区内の主体は自由貿易用口座というベクターにより、投融資における両替といった新たな業務を積極的に展開できるようになる。関連各部門はこのベクター・ツールを利用し、「1項目を成熟させ、1項目を推進する」という全体的原則を踏まえて、別に実施規定を制定し、自由貿易区において個人の国境を越えた投資、資本市場の開放、国境を越えた融資の利便性向上といった改革テスト事業を積極的かつ緩やかに進め、自由貿易区のビジネス環境を一層改善することが可能になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年5月23日
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