スマホ向けチャットアプリ「微信(WeChat)」のユーザーが急増している今、微信の「モーメンツ」を開くことは、多くの市民の日課となっている。プロモーションのため、「いいね!」をクリックすることでなんらかのプレゼントを贈呈する企業も多い。そんな中、上海市嘉定区でこのほど、泣くに泣けず笑うに笑えないような事件が発生した。ある若者が、微信で「いいね!」を誰からももらえないことにガッカリして自傷行為に走り、病院に走る結果となったのだ。新民晩報が伝えた。
ネットユーザーの龍さんと彼の兄弟は、嘉定区環城路の会社で働いている。事件が起こった日の昼、2人は会社の近くにあるレストランで豪勢なランチを楽しんだ。盛りだくさんのご馳走をスマホで撮影し、2人は各自、微信の「モーメンツ」にアップした。約30分後、龍さんは「モーメンツ」を開いた。兄弟がアップした写真には、友人たちから多くの「いいね!」が寄せられていたが、自分の写真には「いいね」がゼロだった。これを見た龍さんは、会社に戻る間じゅう、ずっと気がふさいだままで、一言もしゃべらなかった。2人が会社に戻った後、龍さんは突然、驚くべき行動に出た。手に持っていたiPhoneを、自分の頭に激しく打ちつけたのだ。彼の額から血が流れ出た。一緒にいた兄弟は、すぐに龍さんを嘉定区中心病院に連れていった。
少しでも多くの「いいね!」を得ようと、たくさんの時間や労力を注ぐ人は少なくない。専門家はこれについて、次の通りコメントした。
「いいね!」をどれだけもらうかということ自体は、問題の原因ではない。しかし、別の側面から見ると、それはある部分の人間関係の状態を反映している。IT時代の到来は、人々の交流に多大な便宜をもたらしたが、同時に、さまざまな弊害も一緒についてきた。コメントや「いいね!」を送るより、人と人との交流の方がずっと大切だ。現代人はネットワークに依存しすぎる傾向にあり、今回のような極端な行動が起きても、何ら不思議ではない。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月5日