消耗品の営業販売ルートの変革は自動車のはるか先を行っており、多くの人は(阿里巴巴(アリババ)を創業した)馬雲氏と(万達を創業した)王建林氏がeコマースの将来をめぐって億単位の賭けをしたことを覚えている。2022年にeコマースが中国小売市場で50%のシェアを占めるようになっていれば、王氏は馬氏に1億元(1元は約16円)を支払い、達しなければ馬氏が王氏に1億元を支払うという賭けだ。とはいえ、大型消費財である自動車のeコマースの歩みはまだまだ模索の段階にある
楊総裁は次のような例を挙げて説明する。コカコーラがパッケージのカスタマイズをうち出すと、売り上げは20%増加した。自動車メーカーもeコマースプラットフォームを利用して、在庫の製造から受注製造への転換、大規模製造からオーダーメード化への転換を果たす必要がある。
白副総経理によると、未来の消費主体は1985年以降に生まれた世代だ。自動車のeコマースが成功するか失敗するかどうかは、時間をかけて検証しなくてはならない。中国の多くの消費者にとって、自動車を購入するのは初めての体験であり、自動車は家庭用の耐久消費財の概念にとどまっているという。
米国自動車ディーラー協会(NADA)のアルバート・ガリエゴス国際事務総監によると、消費者は確かに若年化しており、彼らが求めるのはより個性的で社交的なもので、これと同時に共有と体験も強く求めている。将来的には、自動車とインターネットの連携が相当緊密なものになるという。
▽これからの10年 自動車eコマースは爆発的発展期
広州汽車集団乗用車有限公司の肖有総経理助理(社長補佐)兼販売部部長の見方は明快だ。自動車のeコマースは今後5-10年は伝統的なルートと融合し、これを補完するものになるが、10年経ったら伝統的ルートをひっくり返す存在になる可能性があるという。
肖総経理助理は、「利用者の思考をうち立て、利用者の体験を至上のものとして確保する必要がある。伝統的ルートに融合するものであれ、これをひっくり返すものであれ、とどのつまりは消費者だ。2010年以後に生まれた層は、生まれたときから電子製品に囲まれている。自動車のeコマースは私たちの近くにある」と話す。