日本人は昔からフランスのパリを愛してきた。日本人にとってパリは優美やエレガントの代名詞となってきた。だが近年、パリを訪れた日本人の中には「パリ症候群」を発症する人が続出しているという。ロマンチックなパリのイメージが崩れ、吐き気や不眠、ひきつけ、被害妄想、自殺願望などを催すというのだ。今年に入ってからも少なくとも4人の観光客がこの症状で日本に送り返された。「広州日報」が伝えた。
▽現実に破れるフランスの夢
英メディアの5日付の報道によると、日本からは毎年約100万人がフランスを旅行に訪れる。フランス在住の数万人の日本人の多くはパリに住んでいる。多くの日本人はパリに対し、映画『アメリ』に出てくるような石畳の道やエレガントなフランス人女性、ルーブル宮殿の素晴らしい芸術品などロマンチックな期待と想像をふくらませて出かける。
だがパリに着いてみると、その夢は現実に無残にも破れてしまう。乱暴なタクシードライバー、「なんでフランス語を話せないの」と客に叫ぶレストランのウェイターなどに、日本人観光客はショックを受ける。
欧米のほかの国からやってきた旅行者ならこんなこともあるだろうと一笑に付すところだが、礼儀や秩序、配慮を常に重んじ、公衆の場ではほとんど怒ることのない日本人には、この態度は耐えがたい。
フランスに定住する日本人家庭を助ける団体「Jeunes Japon」のベルナール・ドゥラージュさんはこう語る。「日本の商店では『お客様は神様』として扱われるが、パリでは販売員は顧客を相手にしない。バスや地下鉄で見かけた現地の人はいずれも険しい表情をしているのを見たり、ひったくりがいたりすることで、観光客のネガティブな気持ちには拍車がかかる」