習近平国家主席はモンゴルのエルベグドルジ大統領の招待で21、22両日に同国を公式訪問する。中国国家元首のモンゴル訪問は11年ぶりだ。今回の訪問は両国の包括的協力関係を一段と推進し、中国の周辺環境を一段と最適化する、中国の周辺外交理念「親、誠、恵、容」の新たな積極的実戦だ。新華網が伝えた。
■両国関係の格上げも
今回の訪問で習主席はエルベグドルジ大統領と会談し、両国関係の発展の方向性、主要課題、基本構想を共に検討し、確定する。専門家は、両国関係は今回の訪問を通じてさらに高い水準へと高まると指摘した。
両国が政治関係を一層発展させるには、相互信頼を強化し、互いの核心的利益と重大な懸念に配慮することが前提となる。専門家は、両国元首はこの面で明確な姿勢表明をする可能性があると指摘した。
「中国側はモンゴルの独立、主権、領土保全およびその選択した発展路線の尊重、モンゴルの非核の支持をを重ねて表明する。モンゴル側は西蔵(チベット)、新疆維吾爾(ウイグル)自治区、台湾問題における中国の立場を引き続き支持する」と、黄家骙・中国モンゴル研究会名誉理事長は新華社の取材に語った。
■実務協力が過去最高に
経済・貿易協力が両国関係のバラストであることは間違いない。今回の訪問で習主席はモンゴルの指導者と共に、経済・貿易関係の拡大・深化の効果的な道を探る。専門家は「両国の指導者は鉱物資源開発、インフラ整備、金融協力の『三位一体、統合推進』の原則に基づき、経済・貿易協力を更に高い段階へと押し上げる可能性がある。両国は協力プロジェクトを推進し、協力過程におけるいくつかの問題を解決する可能性がある」との認識を示した。
「両国は貿易額の増加、貿易・投資構造の改善、モンゴルの産業高度化の促進、鉄道・道路・電力のコネクティビティの強化、重点分野・大型プロジェクト協力の支持など重要問題に重点的に注目することができる」と黄氏は指摘した。
■周辺外交戦略の新たな重要ステップ
中国にとってモンゴルは同じ北東アジアに位置し、重要な隣国の1つだ。習主席の今回のモンゴル訪問は、周辺外交戦略を推進する新たな重要ステップであり、北東アジアの協力を促進し、平和で安定した周辺環境の構築に重要な推進的役割を果たすに違いない。
中国新指導部は発足以来、周辺外交をかつてないほど重視している。昨年10月の周辺外交座談会では「親、誠、恵、容」との周辺外交理念を打ち出し、習主席の中央アジア訪問時には「シルクロード経済ベルト」、東南アジア訪問時には「21世紀の海のシルクロード」を打ち出し、李克強総理の南アジア訪問時には「バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー経済回廊」と「中国・パキスタン経済回廊」を打ち出した。こうした理念やイニシアティブはいずれも、中国が周辺外交を強く重視していることを反映している。また、習主席はロシアや韓国を含む複数の周辺諸国をすでに訪問した。
中国社会科学院の郝時遠・院長補佐は新華社の取材に「モンゴルは北東アジアの重要な戦略地域であり、中国・モンゴル関係の発展は北東アジア地域の安定にとってプラスの意義を持ち、さらに広範囲の周辺協力にも良好な効果を生じる」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年8月18日