中国農業科学院野菜・花卉研究所研究員、深セン農業ゲノム研究所副所長の黄三文氏が率いる国際トマトゲノム変異研究チームは、世界各地の360のトマトの生殖質のリシーケンス解析を実施し、トマトゲノムの整った変異マップを作成。トマトの進化の歴史を明らかにし、トマトの遺伝子発掘と分子育種の基礎を固めた。その最新の研究成果は、北京時間13日午前1時に、長編論文の形式で「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に掲載された。科技日報が伝えた。
黄氏は、「今日食用にされている栽培種トマトは、野生のトマトから馴化したものだ。長期的な馴化の過程において、実の重量、色、形状などに大きな変化が生じた。野生のトマトは実が小さく、重量は1−2グラムのみだ。現代の栽培種トマトの実は、祖先の100倍以上に達する」と説明した。
同研究は集団遺伝学の分析を通じて、トマトの実の巨大化が、野生種トマト―ミニトマト―栽培種トマトという2段階の進化の過程を踏まえていることを明らかにした。この過程において、それぞれ5と13の実の重量遺伝子が、人類によって選択された。
トマトの商品化育種において、生産量と保存や輸送の利便性などが重視されたため、風味が悪くなった。トマトのゲノム変異のビッグデータを基礎とし、黄氏は米国科学アカデミーのHarry Klee教授が率いるチームと連携し、トマトの風味に影響する20数種の揮発性物質の代謝および蓄積のメカニズムを解析し、美味しいトマトを栽培するため新たなツールを提供した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月14日