極度に過酷な環境に置かれた中国南極調査隊に生じる生理的・心理的な変化の研究を通じ、中国医学科学院基礎医学研究所の徐成麗氏が率いる研究チーム、蒋澄宇氏が率いる研究チームは、情緒のメカニズムと関連すると見られる28の「情緒遺伝子」を新たに発見した。新華網が伝えた。
国際的な権威ある学術誌「Molecular Psychiatry」(電子版)は17日、同研究の関連論文「南極アイスドームA地区の極端な環境に適応する人類の生理的・心理的変化と全ゲノム中の差次的発現遺伝子の関連性の分析」を掲載した。これは1962年以降の世界南極医学研究SCI収録論文のうち、インパクトファクターが最も高い論文だ。
中国の南極崑崙基地は南極アイスドームA地区、南極内陸の「氷冠の頂」に位置する。標高は最高4093メートル、最低気温は摂氏マイナス90度。気温が低く酸素が薄いことから、アイスドームA地区は「近づいてはならない極地」と称されている。中国が同地点に崑崙基地を建設し、科学調査を実施したことは、人類の極端な環境に対する適応性の研究に貴重な機会をもたらした。
隊員の緊張(焦燥)、うつ、怒り、疲労などの情緒の乱れは、男性ホルモンのテストステロンの強い線形と関連している。全ゲノム中の差次的発現遺伝子と、生理的・心理的変化の関連性の分析により、この変化と密接に関連する一連の遺伝子が発見された。
科学者はさらに研究を進め、情緒の乱れと密接に関連する70の差次的遺伝子を特定した。科学者が文献を調べたところ、この70の遺伝子のうち42については、情緒の乱れに関する報告があった。残りの28の遺伝子は、情緒の乱れと関連する新しい遺伝子の可能性がある。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年9月19日