蘭州大学(甘粛省)西部環境教育部重点実験室環境考古研究チームはこのほど米サイエンス誌に掲載した論文で、気温が低下し始めた今から約3600年前、農業技術の革新が人類の青蔵(チベット)高原における大規模定住を促した主因となったと発表した。新華社が伝えた。
同研究チームは先に発表されていた考古調査報告をまとめ、チベット高原の7割以上の紀元前の遺跡が北東部に集中していることを明らかにした。この地域は過去および現在において、人類がチベット高原の奥地に入るための重要な通路だ。研究者は同地域で詳細な考古研究、正確な年代特定作業を実施した。
新たに得られたデータと、これまで発表されていた関連分野の研究成果を結びつけることで、研究チームは紀元前の人類活動が短期的・季節的な狩猟から大規模定住に至るまで、緩慢な適応の過程を経たことを明らかにした。古人類のチベット高原への大規模移住は今から3600年前に発生した。麦を中心とする農業が、当時の人類に長期的な食料源をもたらした。
研究者の陳発虎氏は、「これまで学界では、温暖な気候条件が紀元前の人類のチベット高原定住を促した主因とされていたが、紀元前の人類は世界的な気温低下という背景の中、チベット高原の標高が高い地区に大規模移住した。農業技術の革新が、最も重要な力を発揮した」と指摘した。
人類のチベット高原定住の歴史の研究は、人類がいかに高原の過酷な環境に適応したかを知り、チベット族の起源を理解する上で重要な意義がある。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年12月3日