2014年12月17日  
 

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衆院選勝利を収めた安倍首相はどこに行こうとしているのか (3)

「週刊!深読み『ニッポン』」

人民網日本語版 2014年12月17日09:52

日韓両国にとって来年2015年は国交正常化50周年の記念の年にあたる。だが現在の日韓関係は非常に悪く、安倍首相と朴槿恵大統領は現在に至るまで正式な首脳会談を実現できていない。米国までもが日韓関係の不正常な状態を不安視している。だが慰安婦問題の影響は大きい。慰安婦問題を否定する日本の動きに韓国は不満を抱いており、慰安婦問題は日韓関係の緊張の原因となっている。日本国内では現在、右傾化した保守主義的なムードが濃く、日本の右翼勢力は慰安婦問題の存在を否定し続けている。米国の圧力の下で日韓関係改善のための良策を見つけられるかは、今後数年の安倍首相の外交手腕にかかっている。

今回の総選挙では、沖縄県の4つの選挙区で自民党の候補者が全員落選した。安倍内閣が普天間基地移設問題で名護市辺野古への移設計画を強行すれば、大きな抵抗に遭うことが予想される。だが普天間基地移設の問題は、日米関係にもかかわる重大な問題である。米国は安倍首相に対し、普天間基地を計画通り辺野古地区に移すようにと圧力をかけているとされる。だが就任したばかりの翁長雄志沖縄県知事は、辺野古移設に強く反対している。沖縄選挙区での自民党候補の全滅は、米軍普天間基地の辺野古移設を日本政府が強行しようとしていることに対する沖縄県民の強い反対の意志を示している。安倍首相にとっては、米国と沖縄の両方の利益のバランスをいかに取り、普天間基地移設の問題を双方の意にかなう形でいかに解決するかが課題となる。米国にも申し開きが立ち、沖縄の自治体と人々の怒りも静められるような着地点を見つけられるかは、安倍首相の外交手腕の試金石となる。

来年は、中国の抗日戦争と世界の反ファシスト戦争の勝利の70周年の年であり、国連創立70周年の年でもある。安倍首相はこの節目となる年、中日関係や日露関係をいかに穏やかに発展させるかという大きな外交任務に直面する。日本の右翼勢力は第2次世界大戦の侵略の歴史を否定しようと躍起になっており、2015年という記念すべき年に影を落としている。安倍内閣にとっては、中国やロシアとの関係の根本的な解決をいかにはかるかが外交能力を問う試練となる。安倍首相がもしも、国内の右翼勢力の干渉を抑えこみ、歴史問題について国際社会が納得できるような誠意ある回答を打ち出せば、2015年は、安倍首相が日本を「新生」へと導いた転換の年となるだろう。だがもしも安倍首相がこれまで通り自説に固執し、歴史問題について硬直した保守的な態度を取り続け、さらに靖国神社を参拝するなどして、2015年という「歴史問題」解決の絶好のチャンスを失えば、中国やロシアとの関係を改善・発展させたいという安倍首相の主張は空談に終わるだろう。

安倍首相は、総選挙に勝っても安心できる状況にはない。政治・経済・外交の各方面で様々な問題が山積している。安倍内閣がどこに行こうとしているのかに、日本人を含む多くの人びとが注目している。安倍首相が勝利でのぼせ上がって道を誤るなら、その「長期政権」の願いははかない夢に終わるだろう。(文:厖中鵬・中国社会科学院日本研究所学者)(編集MA)

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「人民網日本語版」2014年12月17日


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