このほど閉幕した中国科学技術部(省)大学生科学技術資源共有・サービス革新実践コンテストにおいて、華中師範大学・万望輝さんの「中国古代の星空、紫微垣を旅して」という動画作品が一等賞を受賞した。同作品は仮想天体望遠鏡やマルチメディアなどの技術を駆使し、1000年前の古代中国人が目にしていた星空を再現したもの。長江日報が伝えた。
受賞者の万望輝さんによると、1000年前の宋の時代、古代中国人は「周琮星表」を使うことで星空の区分を行っていた。西側諸国が神話に登場する神・人・動物によって星座名を決めたのとは異なり、古代中国人は紫禁城内の生活を宇宙に投射した。皇帝に紫禁城があるように、宇宙には紫微垣(しびえん)がある。紫微垣は天球上を3区画に分けた三垣のうちの中垣だ。紫微垣は天の北極を中心とし、付近の星群により形成される。古代中国人は、北極に不変の星があり、その他の星がそれを巡り回っていることに気づき、その一帯を皇宮とした。その天球の回転に伴い回転しないこの星は、古代の人々によって天極星と呼ばれ、皇帝の象徴とされた。もちろん後宮、庶子、皇太子、妃殿下などの星の名前もある。
万さんは宇宙、特に星座の位置関係を描写するにあたって、宇宙を観察できるアプリ「WorldWide Telescope」を主に使用したという。このアプリはインターネットにより全世界の天文学資源を隙間なく透明に融合させ、かつては天文学者にしか手にすることができなかったトップクラスの専門的な天文学資料を、一般人も手にできるようにした。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年12月19日