2014年、中国は独占禁止法違反の取り締まりを強化し、市場の秩序を乱す国内外の企業を容赦なく処罰し、1年間で過去最高となる計18億元(約350億円)の罰金を課した。今後の独占禁止法違反調査の重点は、様々な形式の行政独占の打破に向かうという。専門家は「独占禁止法違反の取り締まりは今後、制度化・常態化の段階に入り、引き続き平等な監督管理の原則を貫く。独占する者は必ず調査を受けるだろう」と指摘する。人民日報海外版が伝えた。
(1)「合わせ技」で独占禁止法違反を取り締まり
2014年は、中国が2008年に独占禁止法を施行して以来、最も積極的かつ強力に法執行を実施した年だった。法執行機関はこれまでの受動的な態度を改め、積極的に抜き打ち検査を行った。国家発展改革委員会(発改委)、国家工商総局、商務部(省)の3機構が力を合わせ、「九竜治水(多くの部門が同一の管理に関わること)」ならぬ、「三竜治水」の局面を形成した。3月、発改委の独占禁止法違反調査員が日立中国を訪問し、抜き打ち調査を行った。6月には商務部が、海運大手三社が提携して「P3ネットワーク」を結成する計画を承認しないと決定した。7月28日、国家工商総局の独占禁止法違反調査チームは、米マイクロソフト社の北京、上海、深セン、成都の事務所に対し、抜き打ち調査を行った――。
このほか、昨年は様々な「合わせ技」が繰り出された。産業チェーン上の全ての企業が法執行の対象となり、横方向の独占、縦方向の独占、市場支配的地位の濫用などを含む、様々な独占行為が調査の対象となった。また、多国籍企業も国内の中央企業も、平等に処罰された。
中国人民大学商法研究所の劉俊海所長は取材に対し、「罰金が独占禁止法違反取り締まりの全てではないが、18億元という罰金額はこれまでに無い額。昨年の独占禁止法執行の注目点は多く、中でも異なる所有制の企業に対する取り締まりが強められた。これまでは、多国籍企業に対し、招致・奨励・保護ばかりを強調してきたが、これからは法執行と監督管理を強調すると同時に、国内企業に対しても独占禁止法違反調査を強めていくことになる」と指摘した。