結婚後、「亭主関白」のイメージの強い日本人男性のようにならないよう、仕事が終わったらすぐに帰宅し、あっという間に、自慢の料理を次々と食卓に運んだ。妻からの感謝と称賛の嵐に浮かれた自分はすぐに得意になり、満足げに「やっぱり我々中国人男性のほうが優秀じゃないか」と思っていた。しかし、このような日々は長くは続かなかった。一ヶ月後、妻が唐突に会社を辞めたいと言い出した。その理由は、会社の同僚に自分の夫のことを笑われたくなかったからだ。確かに、日本にはこういう悪習が存在している。結婚後、もし自分の妻がまだ仕事を続けていたら、周りの同僚から「自分の女房すら養えないなんて、男と言えるのか」と笑われるのだ。このことで妻にくどく言われるのに耐えられず、彼女が会社を辞めることを認めた。
専業主婦に「昇任」した妻は楽しくてしょうがなかった。私が会社から帰ると、妻はいつも「おかえり」と嬉しそうに言いながら玄関まで駆けつけ、私の帰りを迎えてくれる。スリッパを準備するやら、着替えを手伝うやら、この行き届いた「おもてなし」に慣れるのに結構時間がかかった。
日本の女性は「専業主婦」という言葉に対して、何の抵抗感もないのだ。抵抗するどころか、ほとんどの女性はむしろ誇りに思っている。日本社会では、女性が夫に尽くし、子どもの面倒を見るのがすなわち国家に貢献しているという観念があり、仕事においてかなりの実績を成し遂げたとしても、一旦結婚すれば、家族を優先して家庭に入ることを選ぶ女性は少なくない。家に「内務大臣」ができてからも、私は普段と変わらず、帰宅したら、いつも通りに厨房に入って、夕食の支度を手伝っていた。このような日々がしばらく続いていくうちに、私はあることに気付いた。それは、私が家事を勤勉にやればやるほど、妻が落ち込むということだ。どういうわけか、さっぱり分からなくなってきた。まだいい夫には程遠いからなのか?それとも、妻はいつも一人で家にいるから、寂しくなったのか?