中国人はなぜ日本で「爆買い」するのか (2)

日本にやって来た中国のあるメディア関係者も、日本のブランド品の安さに驚いた一人だ。東京赤坂付近の家電量販店ビルのワンフロアには、欧米の各種ブランド品が売られている。「観光スポットでもなく、観光客がいるような場所ではないが、ここに買い物にやってくるのは外国人ばかりだ。フロアには買い物ガイドが3人しかいなかったが、私たちが来るのを見ると愛想よく迎えてくれた」。モンブラン製品が中国の3分の1程度で買える。新品プランド品は日本の質屋にも売られており、買おうと思えば高級ブランド品が1割以下の値段で買える。

日本市場には外国人旅行者の需要を満たすだけの十分な品物があり、外国人旅行者への販売を店舗が強化することを奨励している。中国人旅行客への重視は際立っており、日本の政府や店舗、市民も友好的である。東京には多くのATMがあり、「銀聯」（UnionPay）カードで直接日本円を引き出せる。

「銀聯カードが使える店舗は日本ですでに37万店に達し、昨年同期比で2割増えた」と日本経済産業省の職員は語る。銀聯カードを使うと5％の優遇が受けられるなど、デパートなども中国人客に熱い視線を送っている。中国人旅行者の日本での「爆買い」の広まりにはこうした背景がある。

▽品質以上の優良サービス

住友商事の友人らと話していて、中国人旅行客の日本での便座の「爆買い」が話題になった。中国で生産されている便座を中国人が日本で買って帰るのはなぜか。第一に、日本で買った方が中国で買うよりも安いため、第二に、品質も中国で買うより高いためである。

中国で買い物をすると、粗悪品にしばしば遭遇するのはなぜなのか。これは店舗のサービスと関係がある。