資産運用がますます身近なものになり、ごく普通の人も資産価値上昇のメリットを享受できるようになること。これらはみなアリババのファイナンシャル・インクルージョンに基づく理念だ。支付宝や余額宝といったブランド金融業務を擁する螞蟻金服公司は15年2月に関連会社としてアリババから独立したものの、グループの一員としてアリババのイノベーションの遺伝子をしっかりと受け継いでいる。
▽海外から直接購入:広大な中国市場に引き寄せられ無数の海外ブランドが列を成して中国に進出する
市場志向で、国際的な視野を備えた企業として、アリババは発展の青写真に世界全体を組み込んでいる。
米国・ワシントン州の農場主のピーター・ヴェルブラッジさんは、「旬の果物をよい値段で売るのはもちろん重要だが、2千エーカーのうちの農場の果物が売り時を逃して腐ってしまわないようにすることの方がもっと重要だ。中国市場はとても重要。なぜなら中国市場は売り上げの大きな希望という意味がもつだけでなく、価格変動への抵抗力という意味ももつからだ」と話す。
アリババはヴェルブラッジさんの希望を実現させた。昨年7月、ヴェルブラッジさんの会社は天猫国際(Tmall Global)の予約販売キャンペーンに参加し、中国のバイヤーから多数の注文を受けた。こうして海の彼方のワシントンの取れたてのサクランボが、わずか48時間から72時間で中国人消費者の手元へ届くことになった。
ヴェルブラッジさんの会社の国境を越えた取引は、アリババが世界で発展する過程の一つの縮図だと言える。
アリババのB2C事業部の呉倩さんは、「2014年に設立された天猫国際は、中国人消費者に海外の商品を直接取り引きするためのプラットフォームを提供した。現在、世界の25カ国・地域の5400ブランドが天猫国際に店舗を構えており、このうち30店舗は取引額が1千万元(1元は約19.3円)を超える。また100以上の海外ブランドが天猫国際への出店待ちをしている。